男子テニスツアー「アルマトイ・オープン」(10月13日~19日/カザフスタン・アルマトイ/室内ハードコート/ATP250)のシングルスに第2シードで出場した元世界ランキング1位のダニール・メドベージェフ(ロシア/大会時14位)が、ついに長いトンネルを抜け出した。現地19日に行なわれた決勝で第8シードのコレンティン・ムテ(フランス/同41位)に7-5、4-6、6-3で勝利。2023年5月の「イタリア国際」(クレーコート/ATP1000)以来、実に882日、約2年5カ月ぶりとなるツアータイトルを手にした。
イタリア国際で優勝以降は、23年9月の全米オープンと24年1月の全豪オープンの四大大会2大会を含めツアー決勝に6度進出しながら全て敗れ、“シルバーコレクター”と化しつつあった29歳のメドベージェフ。さらに今季は四大大会3大会連続初戦敗退(全仏・ウインブルドン・全米)を喫すなどシーズン序盤から苦戦が続いていた。
それでも9月初めにフルタイムコーチのジル・セルバラ氏とフィットネストレーナーのエリック・ヘルナンデス氏との契約を相次いで解消し、錦織圭の元コーチであるトーマス・ヨハンソン氏(スウェーデン)と、オランダテニス連盟のナショナルヘッドコーチを務めた実績を持つローハン・ゲッツケ氏(オーストラリア)を招聘してからは一気に復調してきた。
「杭州オープン」(ハード/ATP250)でベスト8、「中国オープン」(ハード/ATP500)と「ロレックス上海マスターズ」(ハード/ATP1000)でベスト4とアジアシリーズで結果を出し、初出場となった今大会も失セットを1に抑えて決勝に進出。決勝では過去1勝1敗と互角のムテとのツアー3度目の対決を迎えた。
試合は見応えのあるラリー戦の応酬に。その中でメドベージェフはムテのテクニカルなプレーにうまく対処しつつ、得意のフラットなグラウンドストロークに加え、相手のスライス返球に対して積極的にネットに出るプレーも織り交ぜながら得点を重ねた。2度のブレークを果たして第1セットを先取すると、第2セットこそ落としたものの、勝負のファイナルセットでは1ブレークのリードを守り切って2時間29分にも及ぶ熱戦をものにした。
価値あるツアー21勝目を挙げたメドベージェフは表彰式にて、試合を見に来てくれた家族への感謝と喜びの言葉をこう口にした。
「家族に感謝したい。美しい妻と2人の娘が一緒に大会に来てくれたのは初めてだから、この結果は本当にうれしい。このタイトルは次女のビクトリアに捧げようと思う。長女のアリサにはもうタイトルを捧げたから、今回はビクトリアの番だ。プレー内容に関しては満足していない部分もあるけど、重要なポイントでは良いプレーができたし、最高の気分だよ」
一方、過去2度ツアー決勝で敗れている26歳のムテは今回もあと一歩初タイトルには届かず。それでも大会後のランキングではキャリアハイの36位に浮上することが決まり、初のトップ30入りも視野に入ってきた。
文●中村光佑
【動画】メドベージェフVSムテの「アルマトイ・オープン」決勝ハイライト
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イタリア国際で優勝以降は、23年9月の全米オープンと24年1月の全豪オープンの四大大会2大会を含めツアー決勝に6度進出しながら全て敗れ、“シルバーコレクター”と化しつつあった29歳のメドベージェフ。さらに今季は四大大会3大会連続初戦敗退(全仏・ウインブルドン・全米)を喫すなどシーズン序盤から苦戦が続いていた。
それでも9月初めにフルタイムコーチのジル・セルバラ氏とフィットネストレーナーのエリック・ヘルナンデス氏との契約を相次いで解消し、錦織圭の元コーチであるトーマス・ヨハンソン氏(スウェーデン)と、オランダテニス連盟のナショナルヘッドコーチを務めた実績を持つローハン・ゲッツケ氏(オーストラリア)を招聘してからは一気に復調してきた。
「杭州オープン」(ハード/ATP250)でベスト8、「中国オープン」(ハード/ATP500)と「ロレックス上海マスターズ」(ハード/ATP1000)でベスト4とアジアシリーズで結果を出し、初出場となった今大会も失セットを1に抑えて決勝に進出。決勝では過去1勝1敗と互角のムテとのツアー3度目の対決を迎えた。
試合は見応えのあるラリー戦の応酬に。その中でメドベージェフはムテのテクニカルなプレーにうまく対処しつつ、得意のフラットなグラウンドストロークに加え、相手のスライス返球に対して積極的にネットに出るプレーも織り交ぜながら得点を重ねた。2度のブレークを果たして第1セットを先取すると、第2セットこそ落としたものの、勝負のファイナルセットでは1ブレークのリードを守り切って2時間29分にも及ぶ熱戦をものにした。
価値あるツアー21勝目を挙げたメドベージェフは表彰式にて、試合を見に来てくれた家族への感謝と喜びの言葉をこう口にした。
「家族に感謝したい。美しい妻と2人の娘が一緒に大会に来てくれたのは初めてだから、この結果は本当にうれしい。このタイトルは次女のビクトリアに捧げようと思う。長女のアリサにはもうタイトルを捧げたから、今回はビクトリアの番だ。プレー内容に関しては満足していない部分もあるけど、重要なポイントでは良いプレーができたし、最高の気分だよ」
一方、過去2度ツアー決勝で敗れている26歳のムテは今回もあと一歩初タイトルには届かず。それでも大会後のランキングではキャリアハイの36位に浮上することが決まり、初のトップ30入りも視野に入ってきた。
文●中村光佑
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