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大胸筋負傷からカムバック! ディミトロフが3カ月ぶりの復帰戦で白星発進「簡単な道のりではなかった」<SMASH>

中村光佑

2025.10.28

今年7月のウインブルドンで負傷したディミトロフが「ロレックス・パリ・マスターズ」でツアー復帰。1回戦では22歳のペリカールをストレートで下し、白星スタートを切った。(C)Getty Images

 負傷により戦線を離れていた男子テニス元世界ランキング3位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/現38位)が、現地10月27日に開幕したツアー大会「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/室内ハードコート/ATP1000)で約3カ月ぶりに実戦に復帰した。また同日夜に行なわれたシングルス1回戦では、地元フランス勢のジオバンニ・ペチ・ペリカール(現56位)を7-6(5)、6-1で下し、2回戦進出を決めた。

 既報の通り34歳のディミトロフは今年7月の「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/芝コート/四大大会)4回戦で当時世界1位のヤニック・シナー(イタリア/現2位)を相手に2セットアップとリードしながらも、第3セットで大胸筋を痛めて途中棄権。以降アジアシリーズまで一度もプレーせず、今大会が復帰戦となった。

 迎えた1回戦、2023年のパリ・マスターズで準優勝を経験したディミトロフはツアー初顔合わせとなったペリカールを相手に序盤からブランクを感じさせないプレーを披露し、3本のブレークポイントを全て凌いでタイブレークの末に第1セットを先取。そして第2セットでは203センチの長身から繰り出されるペリカールの強烈なサービスを3度ブレークする圧巻の内容を見せ、1時間35分で試合を締めた。
 
 勝利後のメディア対応でディミトロフは復帰に至るまでの日々を振り返りながら次のように語った。

「簡単な道のりではなかった。長期間プレーできなくなったのは初めての経験だったから、今もまだ勝った時間が湧かない。復帰して試合に臨むのは非常に難しいことだとわかっていたけど、ただ自分を試してみたかったし、チャンスを与えたかった。勝っても負けても全力を出し切るつもりだった。

 もちろん、長く離れていた後は調整が難しいし、彼(ペリカール)のような相手と対戦するには常に集中していなければならない。どれだけ経験を積んでいても、ブランクの後には特有の緊張感がある。だから今夜は本当にいい夜になった。今は1日1日を大切に過ごしている」

 2回戦では第11シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/元1位/現13位)とジャウメ・ムナール(スペイン/同36位)のどちらかと対戦するディミトロフ。次戦もどんなプレーを見せてくれるのか注目だ。

文●中村光佑

【動画】ディミトロフら参戦の「ロレックス・パリ・マスターズ」大会1日目のハイライト!

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