10月23日、男子テニスツアーを統括するATP(男子プロテニス協会)はサウジアラビア公共投資基金(以下PIF)傘下のスポーツ事業会社『Surj Sports Investment』との提携を発表し、四大大会に次ぐグレードを誇る「マスターズ1000」のトーナメントを同国で新設することを正式に決定。スペインメディア『Punto de Break』などによれば、第1回大会の開催時期はまだ正式には発表されていないが、現時点では2028年2月が最有力となっている。
新設大会は毎年4月開催の「モンテカルロ・マスターズ」(モナコ/クレーコート)と同様に開催期間を1週間とし、56ドロー制を採用する予定。今のところトップ選手への出場義務は課されない見込みとなっている。しかしここで問題なのが、仮に2月開催となった場合、南米クレーコートツアーと時期が完全にかぶってしまう可能性がある点だ。
ATPのアンドレア・ガウデンツィ会長(イタリア)は「中東ツアーと南米ツアーの共存を目指したい」と意欲を見せているが、それには「幾つかの制約」が見込まれるため、1月のオーストラリアシーズンを管轄するテニス・オーストラリアの協力が必要になるだろうと述べている。おそらく同会長は、1月の大会を減らすか、もしくはシーズン開始を早めることで、2月を丸ごと理想的なスケジュールになるよう改革したいと考えているのだろう。
一部報道によれば、サウジアラビア・マスターズの新設にあたり、『Surj Sports Investment』が、ATP250やATP500大会のライセンスを買い戻すための莫大な資金を投入する予定だという。これには両カテゴリーの大会数を減らし、マスターズに重きを置く構造に移行する狙いがあるとのことだ。
それと今回のガウデンツィ会長のコメントを踏まえると、ロッテルダム(オランダ/ATP500)、モンペリエ(フランス/ATP250)、ダラス(アメリカ/ATP500)、デルレイビーチ(アメリカ/ATP250)、アカプルコ(メキシコ/ATP500)といった大会は今後の存続が危ぶまれる状況になりかねない。
代わって、ドーハ(カタール/ATP500)やドバイ(UAE/ATP500)の大会がサウジアラビア・マスターズの前哨戦として位置づけられ、南米クレーではリオデジャネイロ(ブラジル/ATP500)やブエノスアイレス(アルゼンチン/ATP250)が中核を担うことになりそうだ。ただこれについてガウデンツィ会長は「最適な進め方を見極めるには時間が必要」と述べるにとどめた。
いずれにせよ、サウジアラビア・マスターズの新設は既存ツアーのスケジュールに大きな影響を及ぼしそうだ。今後の動向に注目していきたい。
文●中村光佑
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一部報道によれば、サウジアラビア・マスターズの新設にあたり、『Surj Sports Investment』が、ATP250やATP500大会のライセンスを買い戻すための莫大な資金を投入する予定だという。これには両カテゴリーの大会数を減らし、マスターズに重きを置く構造に移行する狙いがあるとのことだ。
それと今回のガウデンツィ会長のコメントを踏まえると、ロッテルダム(オランダ/ATP500)、モンペリエ(フランス/ATP250)、ダラス(アメリカ/ATP500)、デルレイビーチ(アメリカ/ATP250)、アカプルコ(メキシコ/ATP500)といった大会は今後の存続が危ぶまれる状況になりかねない。
代わって、ドーハ(カタール/ATP500)やドバイ(UAE/ATP500)の大会がサウジアラビア・マスターズの前哨戦として位置づけられ、南米クレーではリオデジャネイロ(ブラジル/ATP500)やブエノスアイレス(アルゼンチン/ATP250)が中核を担うことになりそうだ。ただこれについてガウデンツィ会長は「最適な進め方を見極めるには時間が必要」と述べるにとどめた。
いずれにせよ、サウジアラビア・マスターズの新設は既存ツアーのスケジュールに大きな影響を及ぼしそうだ。今後の動向に注目していきたい。
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