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海外テニス

「燃え尽き症候群」との闘い!元全豪4強リネッテが語る限界と再出発への決意<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.11.07

ツアースケジュールを優先するあまり自身の健康状態を悪化させてしまったリネッテ。(C)Getty Images

ツアースケジュールを優先するあまり自身の健康状態を悪化させてしまったリネッテ。(C)Getty Images

 2023年の全豪オープンで4強入りした元世界ランキング19位のマグダ・リネッテ(ポーランド/33歳/現55位)が、今季の終盤にかけて「燃え尽き症候群」との戦いに直面していたことを明かした。ポーランドの公共放送系メディア『TVP Sport』が報じている。

 今季前半のリネッテは安定したパフォーマンスを見せていた。3月のWTA1000「マイアミ・オープン」(ハード)、5月のWTA500「ストラスブール国際」(クレー)で8強入り。芝シーズンにはWTA250「ノッティンガム・オープン」で準決勝に進み、シーズンの流れは決して悪くなかった。

 だが夏以降、状況は一変する。8月の四大大会「全米オープン」(ハード)から5大会連続で初戦敗退。10月13日のWTA500「寧波オープン」(ハード)1回戦でベリンダ・ベンチッチ(スイス)にストレート負けを喫すると、リネッテは25年シーズンの終了を発表した。

 その背景にあったのが、長引く体調不良と精神的な疲弊だったという。

「シーズンを通して、何度も戻ってはまた離脱を繰り返していた。健康上の問題が多く、いつも何かが治りきっていなかった。抗生物質を飲みながら、義務として出なければならない大会もあった。だから『病気でもなんとかなる』と思い込んでいた」

 全米オープンに続いて初戦で敗れたWTA500「グアダラハラ・オープン」(ハード)については、出場自体を悔やんでいる。

「しっかり準備できていなかった。そこにいるべきではなかった気がする。今にして思えば、あの遠征は不要だった。特にすぐあとに中国への移動が控えていたから。大事な場面で全てが崩れた。それが、自分を止めてケアすべきサインだった」
 
 ツアーでは、精神的な疲弊から立ち止まる選手が少なくない。代表的な一人が、アマンダ・アニシモワ(アメリカ)だ。彼女はメンタル面の不調のため23年にツアー離脱を決断し、約8カ月間、テニスから完全に距離を置いた。家族や友人と過ごし、大学の講義に出席し、絵画やチャリティ活動にも打ち込んだ。そうした「普通の生活」を経て、テニスへの情熱を取り戻した。

「私は自分自身について多くのことを学んだ。コートの外での興味についても、そして少し立ち止まって、普通の生活を送る時間の大切さについても。大切なのは、自分自身の声に、直感に、そして身体の声に正直に耳を傾けることだと学んだわ」――そう語ったアニシモワは、復帰後わずか1年でWTA1000大会を制覇し、やがて四大大会決勝の舞台に2度も立った。

 リネッテもまた、シーズンを早めに切り上げる決断で、自身の限界と向き合った。現在は休養期間に入り、26年初頭の復帰を目指す意向だという。来季初めのオーストラリアシリーズでは守るポイントも少なく、再出発には恵まれた条件が揃う。「健康な状態で、そして新しい視点をもって戻ってきたい」と前を向いた。

構成●スマッシュ編集部

【動画】リネッテが4強入りした「2023年全豪オープン」の好プレー集

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