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錦織圭、約3カ月ぶりの実戦復帰も内田海智に完敗で準決勝進出ならず!<SMASH>

中村光佑

2025.11.21

拠点とする米国IMGでは練習を共にするという内田海智と初対戦した錦織圭は、大事な場面で決め切れずストレートで敗れ4強入りを逃した。写真=滝川敏之

 国内開催の男子テニスツアー下部大会「横浜慶應チャレンジャー国際テニストーナメント 2025 supported by 三田興産」(11月17日~23日/神奈川県・慶應義塾大学日吉キャンパス/ハードコート/CH75)は大会4日目の21日にシングルス準々決勝が行なわれ、今大会で約3カ月ぶりの実戦復帰を果たした元世界ランキング4位の錦織圭(現159位)が登場。第8シードの内田海智(同288位)との日本人対決に臨んだが、2-6、2-6で完敗し、ベスト4進出はならなかった。

 腰の負傷によりツアーを離れていた35歳の錦織は、今大会が今年8月の「シンシナティ・オープン」(ATP1000)以来となる実戦。1回戦で予選勝者の市川泰誠(同793位)を4-6、6-1、6-1で下して復帰戦白星を挙げると、20日の2回戦ではシン・サンヒ(韓国/同374位)に6-4、6-1で快勝し、8強入りを果たしていた。

 準々決勝で錦織が対峙したのは、自身が拠点とする米IMGアカデミーで「一緒に練習しながら切磋琢磨してきた」という31歳の内田。両者は今回が初対決となった。

 試合は序盤から緊迫の攻防が繰り広げられたが、第5ゲームで錦織が3本のブレークポイントを握るも生かせず、次のゲームで30-0から度重なるミスを犯して痛恨のサービスダウンを喫してしまう。その後も力強いプレーを続ける内田を崩せなかった錦織は2-5で迎えた第8ゲームでも相手の強烈なショットに手を焼いて2度目のブレークを許し、31分で第1セットを落とした。
 
 挽回したい錦織だったが、第2セットも第1セットと同様の展開となった。第5ゲームで40-0から連続失点してサービスダウンし、第8ゲームをラブゲームでブレークされて59分で力尽きた。

 勝った内田はオンコートインタビューで「錦織選手は作戦を考えてもそれが通用する選手ではないとわかっていたので、とにかくベストを尽くそうという気持ちでプレーしました」と試合内容を振り返りながらコメント。

 22日に予定されているイゴール・マルコンデス(ブラジル/現469位)との準決勝に向けては「次戦も乗り切って、もっとランキングを上げていきたいと思います」と意気込みを口にした。

 復帰戦となった今大会は2勝という結果に終わった錦織。2回戦後には「勝っても1ミリもうれしくない」と語るなど、まだテニスの内容には納得していない様子だ。それでも随所には"ショットメーカー"ぶりが光っていただけに、試合を重ねれば上向く余地は十分。ケガの不安と闘いながらの道のりは決して平たんではないだろうが、ぜひともここからの再起を期待したい。

文●中村光佑

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