カルロス・アルカラス(スペイン/現世界ランキング1位)とヤニック・シナー(イタリア/同2位)の"2強時代"が形成されつつある近年の男子テニスツアー。その牙城を崩す候補の一人に挙がっているのが、19歳の期待の新鋭、ジョアオ・フォンセカ(ブラジル/同24位)だ。このティーンエイジャーはジュニア時代から有望な逸材として注目を集めていたが、真にその名を知らしめたのは、彼が昨年末に開催された20歳以下のシーズン最終戦「Next Gen ATPファイナルズ」を制してからのことだ。
そして今シーズンはその類まれなポテンシャルを遺憾なく発揮した。1月の「全豪オープン」では予選3試合を勝ち抜いて四大大会初の本戦入り。その全豪では2回戦敗退となったものの、1回戦では当時世界9位だったアンドレイ・ルブレフ(ロシア/現16位)を破り、四大大会本戦初出場にして対トップ10初勝利を挙げるという離れ業を演じていた。
また2月の「IEB+アルゼンチン・オープン」(クレー/ATP250)ではツアー初優勝を達成。その後も「全仏オープン」と「ウインブルドン」の四大大会2大会で3回戦に進出し、10月末には「スイス室内バーゼル」(室内ハード)を制してブラジル勢初のATP500制覇とキャリア初のトップ30入りを果たした。
昨年3月にプロに転向して以降、目覚ましい活躍を続ける19歳。彼のコーチを務めるギリェルメ・テイシェイラ氏曰く、フォンセカには"プレッシャーに対処する力"以上に同氏を感心させてきた"別の要素"があるとのことだ。先日応じたブラジルメディア『Lance』の取材で次のように語っている。
「彼はどんな環境にもすぐに馴染むタイプで、その適応力にはいつも驚かされる。即座に"ここが自分の居場所だ"と確信して迷いなくプレーできる上に、時には年齢以上の明晰さを発揮し、状況を的確に見極めて行動することもできる。その"自己確信"の強さが、彼の大きな魅力の一つだ」
フォンセカの性格についてはこう続ける。「ジョアオはとても落ち着いていて、本当に穏やかな人間だ。何事にも時間をかけるのが好きで、急かされることを嫌う。それに彼は"超"がつくほど整理整頓が好きで、物事の明確な始まりと終わりがいつなのかを知りたがるし、全てがきっちりと構造化されていることを好む。誰に対しても良好な関係を築けるが、実はとても控えめな性格で、傲慢さを見せることは全くない。それがツアーでの人間関係構築に大いに役立っていると思う」
ちなみにフォンセカは最近の『CNN』のインタビューでアルカラスとシナーについて「彼らの活躍は素晴らしい。将来的には彼らとツアーの決勝で競い合いたい」と語っていた。トップクラスのフォアハンド、そして今後の自らの成長を後押しするであろう19歳らしからぬメンタリティを併せ持つ彼なら、"2強体制"を"新・ビッグ3"の構図に変えてしまう存在になっても何ら不思議ではない。
文●中村光佑
【動画】ATP500初優勝を飾ったフォンセカの「スイス室内バーゼル」決勝ハイライト
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そして今シーズンはその類まれなポテンシャルを遺憾なく発揮した。1月の「全豪オープン」では予選3試合を勝ち抜いて四大大会初の本戦入り。その全豪では2回戦敗退となったものの、1回戦では当時世界9位だったアンドレイ・ルブレフ(ロシア/現16位)を破り、四大大会本戦初出場にして対トップ10初勝利を挙げるという離れ業を演じていた。
また2月の「IEB+アルゼンチン・オープン」(クレー/ATP250)ではツアー初優勝を達成。その後も「全仏オープン」と「ウインブルドン」の四大大会2大会で3回戦に進出し、10月末には「スイス室内バーゼル」(室内ハード)を制してブラジル勢初のATP500制覇とキャリア初のトップ30入りを果たした。
昨年3月にプロに転向して以降、目覚ましい活躍を続ける19歳。彼のコーチを務めるギリェルメ・テイシェイラ氏曰く、フォンセカには"プレッシャーに対処する力"以上に同氏を感心させてきた"別の要素"があるとのことだ。先日応じたブラジルメディア『Lance』の取材で次のように語っている。
「彼はどんな環境にもすぐに馴染むタイプで、その適応力にはいつも驚かされる。即座に"ここが自分の居場所だ"と確信して迷いなくプレーできる上に、時には年齢以上の明晰さを発揮し、状況を的確に見極めて行動することもできる。その"自己確信"の強さが、彼の大きな魅力の一つだ」
フォンセカの性格についてはこう続ける。「ジョアオはとても落ち着いていて、本当に穏やかな人間だ。何事にも時間をかけるのが好きで、急かされることを嫌う。それに彼は"超"がつくほど整理整頓が好きで、物事の明確な始まりと終わりがいつなのかを知りたがるし、全てがきっちりと構造化されていることを好む。誰に対しても良好な関係を築けるが、実はとても控えめな性格で、傲慢さを見せることは全くない。それがツアーでの人間関係構築に大いに役立っていると思う」
ちなみにフォンセカは最近の『CNN』のインタビューでアルカラスとシナーについて「彼らの活躍は素晴らしい。将来的には彼らとツアーの決勝で競い合いたい」と語っていた。トップクラスのフォアハンド、そして今後の自らの成長を後押しするであろう19歳らしからぬメンタリティを併せ持つ彼なら、"2強体制"を"新・ビッグ3"の構図に変えてしまう存在になっても何ら不思議ではない。
文●中村光佑
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