近年の男子テニス界は現世界ランキング1位のカルロス・アルカラス(スペイン/22歳)と2位のヤニック・シナー(イタリア/24歳)が“2強時代”を築きつつあり、今後もしばらくはツアーを支配すると予想されている。両者は昨年から今年にかけ、それぞれ14タイトルを獲得。さらには最高峰の四大大会でも8大会全てで優勝を分け合った。
現時点で2人のランキングポイントは共に1万を超えており、3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とは5,000ポイント以上の差をつけている。今季はズベレフや6位のテイラー・フリッツ(アメリカ)、9位のベン・シェルトン(アメリカ)らが2強との差を縮めようと奮闘したものの、状況を変えるには至らなかった。
そうした現状に“喝”を入れたのが、現役時代にツアー3勝を挙げた男子元世界13位のアレクサンドル・ドルゴポロフ氏(ウクライナ/37歳)だ。かつてトップ10入り目前まで迫った経験を持つ彼は11月23日に更新したX(@TheDolgo)で「最近はテニスをほとんど見ていないが、自分が現役だった頃と比べながら今の男子ツアーにどんな印象を抱いているかを伝えたい」と前置きし、次のように綴った。
「今が全盛期のシナーとアルカラスは実力的には“ビッグ3”(フェデラー・ナダル・ジョコビッチ)に匹敵しうるが、全体的に見るとあの3人の誰よりも安定感は劣っている。今の3位~15位は僕らの時代よりずっと弱く、15位~50位は大体同じくらいのレベルだ。一方で50位~100位は、今の方が僕らの時代より強い」
同氏が言う“僕らの時代”は、アンディ・マリー(イギリス/元1位)やスタン・ワウリンカ(スイス/元3位)、マリン・チリッチ(クロアチア/元3位)、錦織圭(日本/元4位)らが全盛期のビッグ3としのぎを削っていた2010年代のことを指しているとみられる。10年~19年末までの間、あの3人以外で四大大会を制したのはマリー、ワウリンカ、チリッチの3人だけだったが、当時はビッグ3にも対抗できる実力者が数多く存在していた。
しかし現在はアルカラスとシナーの牙城を揺るがす選手は少なく、ツアーは明確な2強化の一途をたどっている。事実今季2人が喫した黒星は合わせてわずか15。うちアルカラスは9敗を記録したが、2敗はシナーによるもので、残りはジョコビッチ、フリッツ、ジャック・ドレイパー(イギリス/現10位)、ホルガー・ルネ(デンマーク/同15位)、イリ・レヘチュカ(チェコ/同17位)、キャメロン・ノーリー(イギリス/同27位)、ダビド・ゴファン(ベルギー/元7位/同118位)に敗れた。
片やシナーはアルカラスに4敗(うち1度は途中棄権)した以外は、アレクサンダー・ブブリク(カザフスタン/同11位)とタロン・フリークスポール(オランダ/同25位)の2名(後者はシナーの途中棄権による)に敗れただけにとどまった。この記録だけでも、いかに他の選手が2強に追随できていないかがわかり、ドルゴポロフ氏の主張もうなずける。
文●中村光佑
【画像】ドルゴポロフ氏が“現男子ツアーの実情”について持論を投稿
【関連記事】ドルゴポロフが錦織圭とのジュニア時代の写真を投稿し「どっちも可愛い」「ケイは変わってない」と大反響<SMASH>
【関連記事】シナーとアルカラスの良好なライバル関係は「過剰に演出されている」ソックら元トップ選手らが私見<SMASH>
現時点で2人のランキングポイントは共に1万を超えており、3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とは5,000ポイント以上の差をつけている。今季はズベレフや6位のテイラー・フリッツ(アメリカ)、9位のベン・シェルトン(アメリカ)らが2強との差を縮めようと奮闘したものの、状況を変えるには至らなかった。
そうした現状に“喝”を入れたのが、現役時代にツアー3勝を挙げた男子元世界13位のアレクサンドル・ドルゴポロフ氏(ウクライナ/37歳)だ。かつてトップ10入り目前まで迫った経験を持つ彼は11月23日に更新したX(@TheDolgo)で「最近はテニスをほとんど見ていないが、自分が現役だった頃と比べながら今の男子ツアーにどんな印象を抱いているかを伝えたい」と前置きし、次のように綴った。
「今が全盛期のシナーとアルカラスは実力的には“ビッグ3”(フェデラー・ナダル・ジョコビッチ)に匹敵しうるが、全体的に見るとあの3人の誰よりも安定感は劣っている。今の3位~15位は僕らの時代よりずっと弱く、15位~50位は大体同じくらいのレベルだ。一方で50位~100位は、今の方が僕らの時代より強い」
同氏が言う“僕らの時代”は、アンディ・マリー(イギリス/元1位)やスタン・ワウリンカ(スイス/元3位)、マリン・チリッチ(クロアチア/元3位)、錦織圭(日本/元4位)らが全盛期のビッグ3としのぎを削っていた2010年代のことを指しているとみられる。10年~19年末までの間、あの3人以外で四大大会を制したのはマリー、ワウリンカ、チリッチの3人だけだったが、当時はビッグ3にも対抗できる実力者が数多く存在していた。
しかし現在はアルカラスとシナーの牙城を揺るがす選手は少なく、ツアーは明確な2強化の一途をたどっている。事実今季2人が喫した黒星は合わせてわずか15。うちアルカラスは9敗を記録したが、2敗はシナーによるもので、残りはジョコビッチ、フリッツ、ジャック・ドレイパー(イギリス/現10位)、ホルガー・ルネ(デンマーク/同15位)、イリ・レヘチュカ(チェコ/同17位)、キャメロン・ノーリー(イギリス/同27位)、ダビド・ゴファン(ベルギー/元7位/同118位)に敗れた。
片やシナーはアルカラスに4敗(うち1度は途中棄権)した以外は、アレクサンダー・ブブリク(カザフスタン/同11位)とタロン・フリークスポール(オランダ/同25位)の2名(後者はシナーの途中棄権による)に敗れただけにとどまった。この記録だけでも、いかに他の選手が2強に追随できていないかがわかり、ドルゴポロフ氏の主張もうなずける。
文●中村光佑
【画像】ドルゴポロフ氏が“現男子ツアーの実情”について持論を投稿
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