男子テニスツアーを管轄するATP（男子プロテニス協会）は12月12日に公式サイトを更新し、世界ランキング２位のヤニック・シナー（イタリア）が、ファンのオンライン投票で選出されるATPアワードの「ファンズフェイバリット賞（最も好きな選手賞）」を３年連続で受賞したと発表した。

　３年連続での選出は、2003年から21年までの19年連続で同賞を受賞したロジャー・フェデラー氏（スイス／元１位／22年引退）以来、史上２人目の快挙。発表を受け、シナーはATPの公式インスタグラム（@atptour）に公開されたビデオメッセージでファンへの感謝の言葉を交えつつ、次のように喜びを語っている。

「再びファンズフェイバリット賞を受賞できたことは、私にとってこの上なく大きな意味があります。ひとえに、日々応援してくれている皆さんのおかげです。今年はとても濃密な一年でした。

　皆さんの応援が、常に大きなエネルギーと愛を与えてくれます。コートに立って皆さんの前でプレーする時は、特にそれを強く感じます。それはテニス選手にとって最高の喜びです。最善の準備をし、万全の状態で来シーズンに臨みたいと思います。またすぐにお会いしましょう」
  　24歳のシナーは今季、全豪オープン（四大大会）で２連覇を飾ってシーズンをスタート。７月のウインブルドン（四大大会）では決勝でライバルのカルロス・アルカラス（スペイン／現１位）を下して聖地で初頂点に立ち、北京（ATP500）、ウィーン（ATP500）、パリ（ATP1000）も制覇。さらにはシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」（FIN）でも２年連続の全試合ストレート勝ちと全勝優勝で大会連覇を果たし、ツアー６勝、通算では58勝６敗という素晴らしい成績を残した。

　24年にイタリア人男子選手初の年間ランキング１位を経験したシナーは、ATPアワードの常連でもある。まだ10代だった19年には「最優秀新人賞」を受賞し、23年には「最も成長した選手賞」と「ファンズフェイバリット」の２冠を獲得した実績を持っている。

　20代になってからも安定した成績と高い人気を維持し続けているシナー。今後もコート上での結果とファンからの支持を両立させながら、男子ツアーを盛り上げてくれることだろう。

文●中村光佑

【動画】シナーがATP公式のインスタを通じファンへ感謝のメッセージ

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