男子テニス世界ランキング10位のアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン/28歳)が、念願のトップ10入りを果たした直後の複雑な胸中を明かした。
かつては型破りな振る舞いで異端児のイメージが先行した彼だが、近年は精神面での成熟とともに着実に結果を残している。昨年3月にはトップ80圏外まで順位を落としていたが、6月以降にツアー4勝を挙げてランキングは大きく上昇。そして今年1月の開幕戦「香港オープン」(ATP250)決勝でロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/現世界ランキング5位)を下して優勝し、カザフスタンの男子シングルス選手として史上初となるトップ10入りを果たした。
しかし、大きな目標を達成した彼を待っていたのは、歓喜だけでなく「無感覚」という思いがけない感情だったようだ。
サム・クエリー氏(アメリカ)らがホストを務めるポッドキャスト番組『Nothing Major Show』に出演した28歳は、悲願を果たした直後の心境を赤裸々に語っている。
「勝った時、トップ10に入ったと実感して本当にうれしかった。でもその後、無感覚になったんだ。『さて、これからどうすればいいんだ?』という感じだった。全豪オープンに出場しなければならないし、おそらくあと25の大会に出場しなければならない。そしてモチベーションを見つけなければならない。だから、コートの外にいるチームを見た時、最初に言ったのは『みんな、おめでとう。でも、今の目標は何だ? 少しリセットして、何が達成可能かを確認する必要がある』ということだった」
大きな目標を達成した後、「次は何をすべきか」と戸惑いを覚えるケースは、トップアスリートの世界で珍しくない。とりわけ近年のブブリクは、テニスは生計を立てるための「仕事」と割り切りつつも、「ルールやスポーツマンとしての規範に反しない範囲で、勝つためにできることはすべてやりたい」と語るなど、勝利への強い執着を見せていた。以前よりも勝つことを楽しみ、“成熟したアプローチ”で結果を出し続けてきたからこそ、一つの頂点に達したことで突如としてモチベーションの所在を見失ってしまったのだろう。
とはいえ、立ち止まっている猶予はない。ブブリクは現在、アメリカで開催される「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)に出場するためインディアンウェルズを訪れている。昨年は同大会の初戦で綿貫陽介(同175位)に敗れているため、今回防衛すべきポイントは実質的にゼロ。つまり、自己最高ランキングを更新する絶好のチャンスなのだ。
今大会は第10シードとして1回戦が免除されており、初戦となる2回戦ではビット・コプリバ(チェコ/同62位)、あるいはマイケル・ジェン(アメリカ/同145位)の勝者と対戦する。トップ10という目標を達成した今、ブブリクは新たなモチベーションを模索している。“無感覚”の先にどんな目標を見出すのか。28歳の今後の戦いぶりに注目が集まる。
構成●スマッシュ編集部
【動画】ブブリクが難敵ムゼッテイを破り今季初優勝を遂げた香港オープン決勝ハイライト
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かつては型破りな振る舞いで異端児のイメージが先行した彼だが、近年は精神面での成熟とともに着実に結果を残している。昨年3月にはトップ80圏外まで順位を落としていたが、6月以降にツアー4勝を挙げてランキングは大きく上昇。そして今年1月の開幕戦「香港オープン」(ATP250)決勝でロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/現世界ランキング5位)を下して優勝し、カザフスタンの男子シングルス選手として史上初となるトップ10入りを果たした。
しかし、大きな目標を達成した彼を待っていたのは、歓喜だけでなく「無感覚」という思いがけない感情だったようだ。
サム・クエリー氏(アメリカ)らがホストを務めるポッドキャスト番組『Nothing Major Show』に出演した28歳は、悲願を果たした直後の心境を赤裸々に語っている。
「勝った時、トップ10に入ったと実感して本当にうれしかった。でもその後、無感覚になったんだ。『さて、これからどうすればいいんだ?』という感じだった。全豪オープンに出場しなければならないし、おそらくあと25の大会に出場しなければならない。そしてモチベーションを見つけなければならない。だから、コートの外にいるチームを見た時、最初に言ったのは『みんな、おめでとう。でも、今の目標は何だ? 少しリセットして、何が達成可能かを確認する必要がある』ということだった」
大きな目標を達成した後、「次は何をすべきか」と戸惑いを覚えるケースは、トップアスリートの世界で珍しくない。とりわけ近年のブブリクは、テニスは生計を立てるための「仕事」と割り切りつつも、「ルールやスポーツマンとしての規範に反しない範囲で、勝つためにできることはすべてやりたい」と語るなど、勝利への強い執着を見せていた。以前よりも勝つことを楽しみ、“成熟したアプローチ”で結果を出し続けてきたからこそ、一つの頂点に達したことで突如としてモチベーションの所在を見失ってしまったのだろう。
とはいえ、立ち止まっている猶予はない。ブブリクは現在、アメリカで開催される「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)に出場するためインディアンウェルズを訪れている。昨年は同大会の初戦で綿貫陽介(同175位)に敗れているため、今回防衛すべきポイントは実質的にゼロ。つまり、自己最高ランキングを更新する絶好のチャンスなのだ。
今大会は第10シードとして1回戦が免除されており、初戦となる2回戦ではビット・コプリバ(チェコ/同62位)、あるいはマイケル・ジェン(アメリカ/同145位)の勝者と対戦する。トップ10という目標を達成した今、ブブリクは新たなモチベーションを模索している。“無感覚”の先にどんな目標を見出すのか。28歳の今後の戦いぶりに注目が集まる。
構成●スマッシュ編集部
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