まだ19歳にしてツアー5勝を挙げている女子テニス世界ランキング7位のミラ・アンドレーワ(ロシア)は、その振る舞いが時に議論を呼ぶこともある、感情表現の豊かな選手だ。既報の通り3回戦敗退を喫した今年3月の「BNPパリバ・オープン」(ハードコート/WTA1000)では、試合中に苛立ちから何度もラケットを叩きつけてコードバイオレーション(警告)を受け、敗戦後の退場時にもジェスチャーを交えながら観客に暴言を吐くなど、荒れた様子を見せていた。
現地5月2日に行なわれた女子ツアー大会「ムチュア・マドリード・オープン」(スペイン/クレーコート/WTA1000)決勝後にも、彼女の感情があらわになる一幕があった。マルタ・コスチュク(ウクライナ/現15位)に3-6、5-7で敗れると、ベンチでタオルに顔をうずめてすすり泣き、表彰式でも涙ながらにスピーチを行なった。
キャリアにおいて最も重要な試合の1つに勝てなかった悔しさを純粋に表現しただけの19歳に対し、ネット上では多くの批判が上がった。これを見かねたある人物が、Xに反論コメントを投稿している。
その人物とは、かつて大坂なおみ(女子元1位/現16位)のコーチを務めたサーシャ・バイン氏(ドイツ/41歳)だ。同氏は次のように強い言葉で綴っている。
「マドリード決勝で敗れて泣いた19歳のミラを中傷している連中は、明らかに何か1つのことに人生を捧げたことがない奴らだ。競技スポーツをやったこともないのだろうし、全力を尽くしても負けることがあるという概念を理解していない」
この意見に対し、あるファンから称賛の声が寄せられると、バイン氏はリプライでこう付け加えた。「負けることは憎むべきものだし、成功には“痛み”が伴う。ただ、ミラには勝つ喜びを忘れてほしくないし、勝利を当たり前のものだと思わないでいてほしい。偉大な選手は時にそれを忘れてしまう傾向がある」
なお、アンドレーワはコスチュク戦後の記者会見で、とりわけ大一番で敗れた際には感情があふれやすいと発言。さらには他の選手が敗戦直後に笑顔でいられることが理解できないとも率直に明かした。一方で経験を重ねるにつれ、いかなる結果も前向きに捉えられるようになりたいというメンタル面での改善への意欲も示している。
「私は負けるたびに、まるで世界が終わったように感じる。試合に負けた直後に笑顔を見せる選手がいるが、私にはどうしてそれができるのか理解できない。私もそうなれればとは思うけど、負けた試合はどれも当然ながらとてもがっかりするし、やはりすごくつらい。ただ将来的には、こうした部分を改善したいと思っている。負けた試合についても、時間を置かないと話せないという状態ではなく、すぐに気持ちを切り替えて話せるようになりたい」
この気持ちの強さこそが、アンドレーワの活躍の秘訣なのかもしれない。19歳の可能性は無限大だ。
文●中村光佑
【動画】マドリードOP決勝をコスチュクが制し、アンドレーワはベンチで泣き崩れる
【関連記事】「継続性」が導いたWTA1000初優勝!世界23位コスチュクがマドリードを制し2週連続V「自分自身とチームを誇りに思う」<SMASH>
【関連記事】大会連覇を逃した18歳アンドレーワがラケット破壊&暴言で大荒れ!「自分への怒りが外に出てしまった」と釈明<SMASH>
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キャリアにおいて最も重要な試合の1つに勝てなかった悔しさを純粋に表現しただけの19歳に対し、ネット上では多くの批判が上がった。これを見かねたある人物が、Xに反論コメントを投稿している。
その人物とは、かつて大坂なおみ(女子元1位/現16位)のコーチを務めたサーシャ・バイン氏(ドイツ/41歳)だ。同氏は次のように強い言葉で綴っている。
「マドリード決勝で敗れて泣いた19歳のミラを中傷している連中は、明らかに何か1つのことに人生を捧げたことがない奴らだ。競技スポーツをやったこともないのだろうし、全力を尽くしても負けることがあるという概念を理解していない」
この意見に対し、あるファンから称賛の声が寄せられると、バイン氏はリプライでこう付け加えた。「負けることは憎むべきものだし、成功には“痛み”が伴う。ただ、ミラには勝つ喜びを忘れてほしくないし、勝利を当たり前のものだと思わないでいてほしい。偉大な選手は時にそれを忘れてしまう傾向がある」
なお、アンドレーワはコスチュク戦後の記者会見で、とりわけ大一番で敗れた際には感情があふれやすいと発言。さらには他の選手が敗戦直後に笑顔でいられることが理解できないとも率直に明かした。一方で経験を重ねるにつれ、いかなる結果も前向きに捉えられるようになりたいというメンタル面での改善への意欲も示している。
「私は負けるたびに、まるで世界が終わったように感じる。試合に負けた直後に笑顔を見せる選手がいるが、私にはどうしてそれができるのか理解できない。私もそうなれればとは思うけど、負けた試合はどれも当然ながらとてもがっかりするし、やはりすごくつらい。ただ将来的には、こうした部分を改善したいと思っている。負けた試合についても、時間を置かないと話せないという状態ではなく、すぐに気持ちを切り替えて話せるようになりたい」
この気持ちの強さこそが、アンドレーワの活躍の秘訣なのかもしれない。19歳の可能性は無限大だ。
文●中村光佑
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