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海外テニス

【伊達公子】錦織圭が今季で引退したら、今後はまったく違う未来が待っている<SMASH>

伊達公子

2026.06.19

「こういう天才はもう当分出てこない」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「こういう天才はもう当分出てこない」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 日本テニス界を牽引してきた錦織圭選手が今季限りでの引退を発表しました。2014年全米オープンで準優勝し、2015年には世界ランク4位に到達するなど、日本男子テニスのみならずアジアテニスの道を切り開いてきた選手です。

 トップ10入りした後も、サービスの改良を続けたり、ネットプレーも年々上達していました。これほど長い期間、安定した結果を出し続けるのは簡単なことではありません。最終的には小柄な身体で戦い抜くことの代償として、ケガが避けられなくなったということでしょう。

 タフな男子テニスでは身体を酷使するのは当たり前で、年々周りの体格も大きく強くなってきていました。ハンディキャップがないテニスというスポーツでは、試合になれば限界を超えてプレーすることになります。手首、ヒジ、肩、ヒザ、股関節と、治って復帰しては他を痛める繰り返しでした。

 頭が求める状態と現実のバランスが崩れてくることに悩みや不安もあったでしょう。そんな中でも、強い気持ちがあったから続けられていたのだと思います。これだけのキャリアを持つ選手がチャレンジャーで戦うというのは、環境の違いなどがあり難しいものです。しかし、身体のことを除けば結果は出していました。できるなら、あと1回大きな波がほしかった。本人が一番それを望んでいたと思います。

 感性や誰もが想像しないショットを選択する力、予測力などは、努力の上にしか成り立たないものですが、そのベースが崩れないタイプでした。こういう天才はもう当分出てこないのではないでしょうか。 
 
 最近、引退した後は指導に興味を持っているということがよく言われていますが、どこまで本当に興味があるのかに興味があります。13歳からアメリカに行って、テニス一筋でここまで来て、これからは全く違う未来が待っています。

 選手の時は自分の好きなことに向き合っていればいいのですが、引退後は未知の世界に入っていかなければいけません。ベースをアメリカか完全に日本に帰ってくるのかという人生設計も含めて、自分の世界を縮小するのではなく広げていくためにどうしていくのかに興味があります。

 色々な声がかかるでしょうし、やろうと思えば何でもできると思いますが、来るものをどんどん受けていたら本当に何がしたいのかよくわからない状態になってしまいます。

 色々な人がいて、いいことを言う人もたくさんいますから、マネジメントとは別に良い仲間を周りに置いて、人の見極めをしっかりしておくことが大切でしょう。テニス界だけでは世界が狭いと思うので、テニス以外の仲間も必要になってくるのではないでしょうか。 

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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