今年5月のテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ)では、賞金配分を巡る選手たちの抗議活動が大きな波紋を広げたが、今月末に開幕する「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)は賞金総額を過去最大となる20%増額したことで、ひとまず抗議活動の再燃は避けられそうだ。
発端は、全仏オープンが発表した賞金総額に対するトップ選手たちの反発だった。選手側は、大会収益の伸びに比べて賞金の増加幅が小さく、収益に対する分配率が低下していると主張。大会前にはヤニック・シナー(イタリア/男子世界ランキング1位)、カルロス・アルカラス(スペイン/同2位)、アリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/女子1位)ら男女のトップ選手が共同声明を発表し、メディア対応をボイコットする事態にまで発展していた。
四大大会と選手との間で緊張が高まるなか、ウインブルドンを主催するAELTC(オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ)は、2026年大会の賞金総額を前年から1070万ポンド(約23億円)引き上げ、6420万ポンド(約138億円)にすると発表した。男女シングルス優勝者にはそれぞれ360万ポンド(約7億7500万円)、1回戦敗退でも8万ポンド(約1720万円)が支払われる。
この大幅な増額を受け、トップ選手たちを代表するグループは次のような声明を発表し、大会側の歩み寄りを評価した。
「ATPとWTAツアーのトップ選手たちは、ウインブルドンの2026年の賞金発表を、真に意義のある前進として歓迎します。20%の増額は、この大会の歴史において単年で最大の引き上げであり、意味のある意思表示です」
「選手たちはウインブルドンが繁栄し続け、大会がこの競技に行なう投資を支持することを望んでいます。問題は、それらの投資に価値があるかどうかであったことは一度もなく、大会の世界的な成功を支えるパフォーマンスを発揮しているアスリートたちが、その途方もない財務的成長の公正な分け前を受け取るべきかどうかです。私たちの目標はその成功を減らすことではなく、その継続的な成長が、それに貢献する全ての人々に公平に利益をもたらすことを確実にすることです」
もっとも、これで全ての問題が解決したわけではない。選手側はもともと分配率16%(約7120万ポンド=約153億円相当)を要求しており、今回の増額で分配率は14.4%に達したものの、2015年大会の14.9%を下回っていると指摘している。一方の主催者側は、自身が非営利組織であることを理由に、分配率を指標にすることは無意味だと反論しており、両者の間には依然として認識の隔たりがある。
また、選手福祉基金への拠出、収益分配の算定方法、意思決定に関わる選手評議会の設置など、選手側が求めている他の課題も未解決のままだ。主催者は評議会の設置が対話の場になると考えているが、選手側はまずこれらの要求に対する正式な回答を求めているという。
今回の増額によって対立はひとまず沈静化したものの、議論はなお継続中だ。四大大会と選手たちの交渉は、今後もテニス界の重要なテーマであり続けるだろう。
構成●スマッシュ編集部
【画像】ウインブルドン 2025 を戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
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四大大会と選手との間で緊張が高まるなか、ウインブルドンを主催するAELTC(オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ)は、2026年大会の賞金総額を前年から1070万ポンド(約23億円)引き上げ、6420万ポンド(約138億円)にすると発表した。男女シングルス優勝者にはそれぞれ360万ポンド(約7億7500万円)、1回戦敗退でも8万ポンド(約1720万円)が支払われる。
この大幅な増額を受け、トップ選手たちを代表するグループは次のような声明を発表し、大会側の歩み寄りを評価した。
「ATPとWTAツアーのトップ選手たちは、ウインブルドンの2026年の賞金発表を、真に意義のある前進として歓迎します。20%の増額は、この大会の歴史において単年で最大の引き上げであり、意味のある意思表示です」
「選手たちはウインブルドンが繁栄し続け、大会がこの競技に行なう投資を支持することを望んでいます。問題は、それらの投資に価値があるかどうかであったことは一度もなく、大会の世界的な成功を支えるパフォーマンスを発揮しているアスリートたちが、その途方もない財務的成長の公正な分け前を受け取るべきかどうかです。私たちの目標はその成功を減らすことではなく、その継続的な成長が、それに貢献する全ての人々に公平に利益をもたらすことを確実にすることです」
もっとも、これで全ての問題が解決したわけではない。選手側はもともと分配率16%(約7120万ポンド=約153億円相当)を要求しており、今回の増額で分配率は14.4%に達したものの、2015年大会の14.9%を下回っていると指摘している。一方の主催者側は、自身が非営利組織であることを理由に、分配率を指標にすることは無意味だと反論しており、両者の間には依然として認識の隔たりがある。
また、選手福祉基金への拠出、収益分配の算定方法、意思決定に関わる選手評議会の設置など、選手側が求めている他の課題も未解決のままだ。主催者は評議会の設置が対話の場になると考えているが、選手側はまずこれらの要求に対する正式な回答を求めているという。
今回の増額によって対立はひとまず沈静化したものの、議論はなお継続中だ。四大大会と選手たちの交渉は、今後もテニス界の重要なテーマであり続けるだろう。
構成●スマッシュ編集部
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