ATPツアーシングルス5勝、2010年の全仏オープンでは、ノバク・ジョコビッチを破りベスト4に進出するなどの活躍で、世界8位にまで上り詰めたユルゲン・メルツァー。2018年、当時37歳だった彼は、母国オーストリアのエルステ・バンク・オープンを最後に、シングルスのコートを後にした。
だが、彼の選手としてのキャリアはまだ終わっていない。シングルスでは、思うようなプレーができなくなってしまったが、現在はダブルスツアーを転戦している。経験豊富なベテランプレーヤーは、何を思い挑戦を続けるのか。ATPツアー公式サイトが特集した。
2016年に結婚した妻ファビネと、もうすぐ3歳になる息子の3人家族を支える父にとって、人生を考えるということは、家族の選択でもある。
「妻と話し合って、言ったんだ。『わかった、2019年のうちに決断するよ。ダブルスで全仏オープンまで挑戦してみて、80位以内に入れそうなら、そして大きな大会で優勝できそうなら、続けるよ』ってね。
すると妻は『オーケー。あなたができることをして。そうすれば、後悔はしないはずだから』って言ってくれた。彼女は元水泳選手だから、大好きなことをやめるってどんなものか知っているからね」
かくしてダブルスに転向したメルツァーは昨シーズン、ATP500大会を含むツアー3勝を挙げ、現在ダブルスランキング35位(3月9日時点)と活躍中。それでもやはりシングルスを懐かしむ気持ちはあるという。
「いつか、シングルスを恋しく思う日が来るってことは、100%確実に言える。でも、最も良い引き際を選んだんだ。ミロシュ(ラオニッチ)を倒した日が僕のシングルス選手として最後の日だった。次の試合はプレーできなかったけど(体調不良のため棄権)、それでよかった。
20年、選手でいればわかる。若返ることはできないし、この年で活躍できるロジャー・フェデラーみたいな人はほんの一握りだからね」
それでも、いまだ挑戦を続けたいと思えるのは「試合を愛しているから」だという。
「賞金が欲しいわけではない。大きな大会で勝つ感覚を味わいたくて、試合に出続けている。もしやめていたとしたら、後悔しているだろうね。まだ何かを成し遂げられると感じている。これまで20年以上テニスを続けてきたんだ。続けない理由があると思うかい?」
5月に39歳の誕生日を迎えるメルツァーの挑戦はまだ続きそうだ。
文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
【PHOTO】ボールがつぶれ、フェイスがたわむ! 3/1000秒の瞬間を捉えたスーパーインパクト集!!
だが、彼の選手としてのキャリアはまだ終わっていない。シングルスでは、思うようなプレーができなくなってしまったが、現在はダブルスツアーを転戦している。経験豊富なベテランプレーヤーは、何を思い挑戦を続けるのか。ATPツアー公式サイトが特集した。
2016年に結婚した妻ファビネと、もうすぐ3歳になる息子の3人家族を支える父にとって、人生を考えるということは、家族の選択でもある。
「妻と話し合って、言ったんだ。『わかった、2019年のうちに決断するよ。ダブルスで全仏オープンまで挑戦してみて、80位以内に入れそうなら、そして大きな大会で優勝できそうなら、続けるよ』ってね。
すると妻は『オーケー。あなたができることをして。そうすれば、後悔はしないはずだから』って言ってくれた。彼女は元水泳選手だから、大好きなことをやめるってどんなものか知っているからね」
かくしてダブルスに転向したメルツァーは昨シーズン、ATP500大会を含むツアー3勝を挙げ、現在ダブルスランキング35位(3月9日時点)と活躍中。それでもやはりシングルスを懐かしむ気持ちはあるという。
「いつか、シングルスを恋しく思う日が来るってことは、100%確実に言える。でも、最も良い引き際を選んだんだ。ミロシュ(ラオニッチ)を倒した日が僕のシングルス選手として最後の日だった。次の試合はプレーできなかったけど(体調不良のため棄権)、それでよかった。
20年、選手でいればわかる。若返ることはできないし、この年で活躍できるロジャー・フェデラーみたいな人はほんの一握りだからね」
それでも、いまだ挑戦を続けたいと思えるのは「試合を愛しているから」だという。
「賞金が欲しいわけではない。大きな大会で勝つ感覚を味わいたくて、試合に出続けている。もしやめていたとしたら、後悔しているだろうね。まだ何かを成し遂げられると感じている。これまで20年以上テニスを続けてきたんだ。続けない理由があると思うかい?」
5月に39歳の誕生日を迎えるメルツァーの挑戦はまだ続きそうだ。
文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
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