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【テニスギア講座】普段気にしないラケット関連のルール規制。長さ、面積、張り方…これは良くてあれはダメ!<SMASH>

松尾高司

2026.08.22

競技の均等性を壊すほど突出した性能のラケットは規制される。メーカーはルールの範囲内でハイレベルな製品を開発し、プロはそれを厳しい目で吟味する。(C)Getty Images

競技の均等性を壊すほど突出した性能のラケットは規制される。メーカーはルールの範囲内でハイレベルな製品を開発し、プロはそれを厳しい目で吟味する。(C)Getty Images

 今回のテーマは「テニスラケットのルール規制」。一般に販売されるラケットは、基本的に国際ルールに準じて製造されていますが、フレームにもストリング(俗に言うガット)にも、ちゃんとルールがあります。それらを整理してみましょう。

 プロ選手たちは強烈な打球の応酬に負けないため、ラケットをカスタマイズして使うことが多いですね。選手によっては、プレー環境に応じてストリングのテンションはもちろん、フレームのバランスまで使い分けることもあります。

 19世紀後半に現代テニスが形作られた頃、ラケット自体にルールはありませんでした。テニスが競技として広まって、ようやくコートの大きさやネットの高さが統一されましたが、ラケットの形などは自由。

 でも20世紀に入る前には「ラケットって、こういうものだよね」という感じで、自然に、何となぁーく定まっていったのです。ラケットがウッド製だった時代に、フェイス面積が「70平方インチ」。フレームの長さは現代と同じ「27インチ」というのが、使いやすいということに落ち着いていました。

 ところが1970年代に、プリンスが“デカラケ”を発表したことで、初めて国際組織がザワつきました。

「デカいラケットなんて使えないよ」とタカをくくっていたら、それで育った若手選手たちがどんどん強くなっていくじゃないですか。これは何とかしないと...ということで、初めてラケットへの規制が始まり、その後も特異な形状や特殊な仕掛けが生まれるたびに「あれはどうしようか?」と検討されるようになったわけです。
 
 ラケットフレームのサイズで規制されるのは「全長」と「フェイスの大きさ」。「フェイス面積」ではなく、「天地左右の幅」です。それ未満なら、いくら小さくても問題なしです。

 デカラケ後、厚ラケが台頭しますが、規制を受ける前に厚すぎるものは自然に消えていったので、規制されるに至らず、フレーム厚に関しては現在もフリーです。

 あとは「プレー中に主軸の慣性モーメントを著しく変化させるもの」「電池などのエネルギー源を搭載するもの」はダメです。フレームが四角形でも多角形でも、凸凹があっても、それを含めて規定サイズ内であればクリアです。

 またフレームに使われる素材についても、いまだ規制されたことはありません。木製だったのが、金属製、グラスファイバー製、カーボン製になっても規制を受けていません。

 ただし今後、これまで想像もつかなかった素材が登場して、ビックリするほど他社との性能的違いが生じたら、そこで初めて規制が検討されるでしょう。
 
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