テニス界でアジアのパイオニアとして戦い続けた錦織圭選手が引退しました。彼が次世代に示したものを一言で言うなら、「明確な夢」です。しかも、身近に感じることができる夢です。
彼の前には、松岡修造さんの時代がありました。松岡さんは身長があり、強烈なサービスを武器にしていました。錦織選手は背がすごく高いわけでもなく、それでも世界と戦い続けました。だからこそ、子どもたちが「自分もできるんじゃないか」と思えるほど、彼を身近に感じられたんです。
日本だけでなく、アジアへの影響も大きかったですね。テニスはヨーロッパ発祥のスポーツなので、簡単にアジア人を認めたくはありません。それでも結果を出し続けて、認めざるを得ないと思わせた最初の男子選手でしょう。
中国はマネーパワーもあり大きな大会も開催するだけでなく世界トップ100で戦える選手も育ってきていますが、錦織選手は純粋に実力で認めさせました。韓国の選手たちも、彼から大きな影響を受けているでしょう。日本だけでなく、アジアの扉を開いたんです。
「エアケイ」という言葉ができるくらい、魅力的なプレーの真似をするジュニアが多く現れテニス人口の増加につながりました。
さらに彼は、テニスという枠を超えた存在です。どの競技も含めて、テニスをやっていない人にまで名前を知られている選手はそういません。だからこそ、特別な存在として子どもたちに夢を与え続けてきました。
指導者の世界も変わりました。錦織選手の活躍を見てきた人たちが、世界を目指すということをしっかりと考えるようになったのだと思います。私も育成に携わってきていますが、育成に携わり始めた2018年頃と今とでは、指導者のモチベーションが変わってきたと感じます。
指導内容も、とりあえず打てるようにするよりも、将来的にちゃんと上達できる教え方をする指導者が地域に偏らず全国的に定着しています。これも彼の活躍があったからこその影響でしょう。
ただ、現実は厳しくなります。存在感のある選手がいなくなった後に、テニス人口もレベルも落ちます。過去に何度も繰り返してきたことです。スターはそう急には生まれません。これをどう埋めていくかが、日本テニス界の大きな課題です。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【画像】いざラストマッチへ!錦織圭が会見&練習をメディアに公開!
【画像】錦織圭と伊達公子がテープカット!屋外で国内初の全仏仕様レッドクレーコートが誕生!!
【連続写真】スイング中に時間のズレを調節する、錦織圭のジャックナイフ
彼の前には、松岡修造さんの時代がありました。松岡さんは身長があり、強烈なサービスを武器にしていました。錦織選手は背がすごく高いわけでもなく、それでも世界と戦い続けました。だからこそ、子どもたちが「自分もできるんじゃないか」と思えるほど、彼を身近に感じられたんです。
日本だけでなく、アジアへの影響も大きかったですね。テニスはヨーロッパ発祥のスポーツなので、簡単にアジア人を認めたくはありません。それでも結果を出し続けて、認めざるを得ないと思わせた最初の男子選手でしょう。
中国はマネーパワーもあり大きな大会も開催するだけでなく世界トップ100で戦える選手も育ってきていますが、錦織選手は純粋に実力で認めさせました。韓国の選手たちも、彼から大きな影響を受けているでしょう。日本だけでなく、アジアの扉を開いたんです。
「エアケイ」という言葉ができるくらい、魅力的なプレーの真似をするジュニアが多く現れテニス人口の増加につながりました。
さらに彼は、テニスという枠を超えた存在です。どの競技も含めて、テニスをやっていない人にまで名前を知られている選手はそういません。だからこそ、特別な存在として子どもたちに夢を与え続けてきました。
指導者の世界も変わりました。錦織選手の活躍を見てきた人たちが、世界を目指すということをしっかりと考えるようになったのだと思います。私も育成に携わってきていますが、育成に携わり始めた2018年頃と今とでは、指導者のモチベーションが変わってきたと感じます。
指導内容も、とりあえず打てるようにするよりも、将来的にちゃんと上達できる教え方をする指導者が地域に偏らず全国的に定着しています。これも彼の活躍があったからこその影響でしょう。
ただ、現実は厳しくなります。存在感のある選手がいなくなった後に、テニス人口もレベルも落ちます。過去に何度も繰り返してきたことです。スターはそう急には生まれません。これをどう埋めていくかが、日本テニス界の大きな課題です。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
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