国内テニス

ITFツアー8勝の吉冨愛子が26歳で突然の引退表明。「環境を整えられないと感じた」【女子テニス】

スマッシュ編集部

2020.04.01

26歳でラケットを置く決断をした吉冨愛子。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 ITFワールドツアーでダブルス8勝を挙げている女子プロテニスプレーヤーの吉冨愛子(アクトス)が、3月いっぱいで現役を退くことを表明した。まだ26歳。余力を残しての引退となる。

「グランドスラムに行くために何が必要か考えた時に、今年度もその目標に対する環境を整えられないと感じた」と、引退を決めた理由を語った吉冨。プロとして活動したのはわずか4年間だった。

 吉冨は椙山女学園高校時代にインターハイで優勝、早稲田大学に進むとインカレも制し、2016年に卒業と同時にプロ転向した。身長158センチと小柄ながら、女子選手離れした高く跳ねるトップスピンと、俊敏なコートカバーを武器に国内外を転戦し、17年には全日本選手権でシングルスベスト8。ITFツアーのダブルスでは昨年だけで5つのタイトルを獲得し、この2月にはITFランキング複最高位7位をマークした。
 
 しかし目標とするグランドスラム出場には単複とも届かず、環境面の大変さも考慮し、「それならば興味があったことをやってみたい」という考えに至ったという。その"興味があったこと"とは海外留学だ。今すぐは無理だが、いずれは海外で新たなことを学び、「自分にしか歩めない人生を送っていきたい」という。

 選手生活を終えた心境を問うと「現役時代はつらかったりきついなと思うことが多かったですが、振り返ってみるとたくさんの方に支えてもらい、応援してもらって、こんなに充実した生活はなかったなと感じます」という答えが返ってきた。短かいプロ生活ではあったが、悔いはない――そんな思いが伝わってくる。

 第二の人生でも光輝けるように応援したい。

構成●スマッシュ編集部

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