38歳にして完璧なプレーを持続するフェデラー、小柄な体格で世界のトップと渡り合う錦織。2人のテニスをよく知れば、上達のヒントをつかめるに違いない。フォアハンド、バックハンド、サービスと紹介してきたが、最後はドロップショット。2人が共通して実践する"鉄板アクション"から重要な基本を導き出そう。全日本選手権複優勝などの実績を持つ佐藤文平氏が、教えてくれた。
ドロップショットは相手に読まれてしまっては意味がない。成功させるには打つ直前まで相手に「強打してくる」と思わせることが大切。つまり、いかに欺けるかだ。2人は最初の構えで、どうやって『いかにも強打しそうな雰囲気』を醸し出しているのだろうか。
「具体的にどうすればいいかというと、身体をひねる際に左肩をグッと入れたり、前にステップして体重を乗せるといったことです。また、テイクバックでは強打する時の厚いグリップで握っておき、振り出す直前に薄くチェンジするようにします。少し大げさに演技して、相手を後方に釘付けにしましょう」。彼らのプレーを見ていると、思い当たるふしがあるだろう。これらの動作を取り入れると、強打しそうに見せることができるのだ。
次は、スイングの共通点。「ドロップショットはスライスをかけて打ちます。スイングで注意してほしいのは、ラケットを上から入れていくことです。ボールが落ちてくる所を持ち上げるのではなく、軌道の頂点に達する前に、上から"押さえ込む"イメージで打つのがポイント。この打ち方だと、弾道が低く抑えられ、タイミングも早いので、決まる確率が高いのです」
「スライスには、ボールの下に面を入れ、運ぶように打ち上げるタイプもありますが、それはドロップショットには向きません。ボールが上に上がった瞬間、相手は反応してくるでしょう」
フェデラーと錦織が共通して行なっている、ドロップショットを成功させるアクションがわかっただろうか。ドロップショットは相手を前に動かせるショットなので、習得して試合に生かそう。
解説=佐藤文平
早稲田大学時代にインカレを制し、卒業後プロ転向。ワールドチームカップ日本代表、全日本選手権複優勝などの実績を残す。現在はテニス中継の解説者、HALEOテニスディビジョン統括ディレクターなどを務める傍ら、日体大大学院博士後期課程でスポーツバイオメカニクスを研究中。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2019年3月号から抜粋・再編集
【PHOTO】史上最強の王者! ロジャー・フェデラー「ウインブルドン2019」厳選ギャラリー
ドロップショットは相手に読まれてしまっては意味がない。成功させるには打つ直前まで相手に「強打してくる」と思わせることが大切。つまり、いかに欺けるかだ。2人は最初の構えで、どうやって『いかにも強打しそうな雰囲気』を醸し出しているのだろうか。
「具体的にどうすればいいかというと、身体をひねる際に左肩をグッと入れたり、前にステップして体重を乗せるといったことです。また、テイクバックでは強打する時の厚いグリップで握っておき、振り出す直前に薄くチェンジするようにします。少し大げさに演技して、相手を後方に釘付けにしましょう」。彼らのプレーを見ていると、思い当たるふしがあるだろう。これらの動作を取り入れると、強打しそうに見せることができるのだ。
次は、スイングの共通点。「ドロップショットはスライスをかけて打ちます。スイングで注意してほしいのは、ラケットを上から入れていくことです。ボールが落ちてくる所を持ち上げるのではなく、軌道の頂点に達する前に、上から"押さえ込む"イメージで打つのがポイント。この打ち方だと、弾道が低く抑えられ、タイミングも早いので、決まる確率が高いのです」
「スライスには、ボールの下に面を入れ、運ぶように打ち上げるタイプもありますが、それはドロップショットには向きません。ボールが上に上がった瞬間、相手は反応してくるでしょう」
フェデラーと錦織が共通して行なっている、ドロップショットを成功させるアクションがわかっただろうか。ドロップショットは相手を前に動かせるショットなので、習得して試合に生かそう。
解説=佐藤文平
早稲田大学時代にインカレを制し、卒業後プロ転向。ワールドチームカップ日本代表、全日本選手権複優勝などの実績を残す。現在はテニス中継の解説者、HALEOテニスディビジョン統括ディレクターなどを務める傍ら、日体大大学院博士後期課程でスポーツバイオメカニクスを研究中。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2019年3月号から抜粋・再編集
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