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レッスン

42歳にして現役のダブルススペシャリスト松井俊英が伝授する、一般プレーヤーのサービスの考え方【テニスレッスン】

スマッシュ編集部

2020.05.09

今年のATPカップでは日本代表としてダブルスに出場した松井俊英。(C)Getty Images

今年のATPカップでは日本代表としてダブルスに出場した松井俊英。(C)Getty Images

 42歳にしてダブルスを中心に現役で活動を続けている松井俊英。オンラインでジュニアへメンタルアドバイスなども行なっている彼が、一般プレーヤーに最適なダブルスでのサービスの考え方について教えてくれた。

「プロの世界であれば、ビッグサービスでアグレッシブさが求められます。しかし一般のプレーヤーになると、『プレースメント・オーバー・パワー』が大切になります。つまり、パワー以上にプレースメントを重視するプレースタイルにするべきです。ライン際を狙う必要はないけれど、パワーを控えめにしても、コースを意識して、主導権を掌握するようにします」

 具体的に、試合でどのようにプレースメントを考えていけばいいのだろうか?「サービスでは、『T』と『ボディ』の二択を使います。『T』とは、センターラインとサービスラインが交わるTマークへの配球。『ボディ』とは、相手の身体を狙うサービスです」

 サービスで『T』を狙うとよい理由は、「Tサービスはコートの真ん中に入るため、相手のリターンに角度が付いてきません。アングルやストレートのリターンをあまりケアしなくていいぶん、味方の前衛がポーチなどで機能しやすくなるサービスです」

「サービスはワイドを狙うのが有効と言われますが、それではリターンをワイドにも、ストレートにも、好きな所に打たれかねません。特に前衛を使ってポイントを取るダブルスであれば、相手に慣れられてもサービスはとにかくTへ打ち続けるくらいの心構えが必要です」
 
 軸となるTサービスにバリエーションを与えるのが、ボディサービス。ただしボディサービスはスピードがないと、相手に回り込まれてリターンを打ち込まれかねない。それを回避するにはどうすればいいのか。

「正面を狙うのではなく、デュースサイドなら相手の『左股関節』を狙います。すると、相手が回り込んでちょうどボディに食い込むサービスになるのです。パワーではなく、プレースメントで相手を追い込んでいきましょう!」

 一般プレーヤーこそ、パワーよりもプレースメントを重視。パワーに頼りがちな人は、1度自分のプレーを振り返ってみよう。新しい境地を発見できるかもしれない。

解説=松井俊英(ASIA PARTNERSHIP FUND)
1978年4月19日生まれ。現在もダブルス専門で世界を回り続ける日本のトッププレーヤー。18年にアメリカのチャレンジャーで優勝しており、持ち味であるビッグサービスとボレーを武器に戦う。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2019年4月号から抜粋・再編集

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