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【テニスギア講座】いろいろあるグリップテープ。どこがどう違う? 選び方のポイントは?

松尾高司

2020.05.13

滑り防止に多くの選手が利用するグリップテープ。サラサラ感のある「ドライ」(右上)、ウェットだが小孔が多数開いている「エンボス」(右中)、吸い付くような「ウェット」(右下)がある。写真左:THE DIGEST写真部、右:松尾高司

 テニスの「グリップテープ」には、結構いろんな種類があります。今回は、その違いや選び方のポイントについてお話ししましょう。

 最初に、グリップテープには、元の状態のグリップの上に滑り止め目的で巻く「オーバーグリップ」と、大元を巻き替える「リプレイスメントグリップ」=通称「元グリ」の2つがあります。ここで取り上げるグリップテープは、前者のオーバーグリップの方です。

 一見、同じように見えるグリップテープですが、タイプも数種類あり、同じタイプでも微妙にスペックが違います。新品の状態では、サラサラ感が特徴の「ドライタイプ」。汗をよく吸収してくれますが、その許容量を超えると逆にたっぷり汗を含んでしまうので、汗を多くかく人は頻繁に巻き替える必要があるかもしれません。

 巷で広く使われているのが、手のひらに吸い付くようなしっとり感とクッション感もあり、滑り止め効果の高い「ウェットタップ」。

 さらに、テープに多数の小さな孔を開けた「エンボスタイプ」、滑り止め効果を高めるため、巻くと凸凹ができる「凸凹タイプ」など、そのバリエーションはいまや極めて多彩で、業界では意外と大きなマーケットに成長しているのです。まずはこれらのタイプ別に、自分の手にしっくりくるものを見つけ出しましょう。
 
 グリップテープのパッケージには、「長さ」「幅」「厚さ」が記されています。それを目安に自分の好みを絞り込んでいくのもいいですね。

 長さはだいたい110~120センチですが、幅は25~30ミリと意外に差があります。26ミリ幅くらいのグリップテープが多いようですね。長さや幅は、巻くときにテープをどのくらい重ね合わせるかで適正サイズが変わってきます。たくさん重ねる人は、そのぶん長さや幅を要するということです。

 テープの厚さは0.6ミリ程度が平均的で、薄手だと0.5ミリなど、厚手だと0.8ミリなどがあります。こちらはグリップの角を感じたいなら薄手、柔らかい感触を好むなら厚手、といった基準で判断。また、テープの厚さ次第でグリップの太さも変わってきますから、ラケットを買う際は、それを想定してグリップサイズを選ぶことも大切です。

文●松尾高司(KAI project)

※『スマッシュ』2016年3月号より抜粋・再編集

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