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海外テニス

「ダブルスの大会を減らすべき」元世界7位バルトリの暴論に、現役選手やコーチから反論集まる【海外テニス】

スマッシュ編集部

2020.05.30

2018年の全仏オープンレジェンドマッチでプレーするバルトリさん。(C)GettyImages

2018年の全仏オープンレジェンドマッチでプレーするバルトリさん。(C)GettyImages

 2013年のウインブルドン女子シングルスを制し、直後の8月に電撃的に現役を引退したフランスの元世界ランク7位、マリオン・バルトリさんが、ダブルス軽視ともとれる発言をしたことで注目を集めている。

 フランスメディア「レキップ」によると、ことの発端は、彼女が地元メディアのトークショーにて『財政難に陥っているシングルス下位選手へ、よりよく賞金を分配するにはどのような策が必要か?』と問われた際の回答。

 バルトリさんはこの質問に、共感してくれる人が少ないだろうとしながらも「年間を通して行なわれるダブルスの大会を減らし、そこで浮いた資金を他に回すべきよ」と回答。さらにその理由として、ダブルスプレーヤーの賞金が、彼ら自身の努力に見合っていないと主張した。

「今のダブルスには、6人ものコーチやトレーナーを雇っているチームがある。私が現役の頃は、シングルス選手でさえ6人も帯同する余裕はなかったわ。そんなにたくさん雇うお金の余裕があるのに、彼らはダブルスをプレーしているだけなの。シングルス選手と同じような努力をしているわけでもないし、理解できないわ」
 
 近年では、毎年のようにグランドスラム優勝者を出すほど、優れたダブルス選手を多く抱えるフランスだが、同国出身のバルトリさんからこのような思いがけない発言が出たことに、世界中のテニス関係者が注目した。

 元ダブルス世界ランク1位、フランスのニコラ・マユ(現在は3位)は自身のツイッターで、彼女の主張に対して「6人もスタッフを雇うなんて羨ましいね。で、それが誰なのか教えてくれる?」と反応。さらに「努力云々の考えに従うならば、グランドスラムで5セットを戦わない女子選手たちも男子選手と同じ賞金額であるべきではないということ?」と続けた。

 また、現在スタン・ワウリンカのコーチを務め、過去にはアンディー・マリーや、グリゴール・ディミトロフが師事したことで知られるダニエル・バルベルドゥさんも「面白いね。このコメントを真剣に捉えることができないよ」と、驚きを隠せない様子だった。

 ただでさえ賞金が少ないダブルス選手。今年の全豪オープンを例に挙げると、男子、女子、混合ダブルス優勝ペア計6人の獲得賞金を合計しても、シングルス優勝者1人が獲得した賞金額の半分にも及ばない。そのうえでさらに努力していないなどと過少評価されたダブルス選手たちにとっては、今回のバルトリさんの発言は到底受け入れがたいものとなったことは間違いないだろう。

構成●スマッシュ編集部

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