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「股抜き」が打てればヒーローになれる! 打ち方と練習法を紹介【テニスレッスン】

スマッシュ編集部

2020.05.30

試合で股抜きを成功させたジョコビッチ。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 ネットに出て相手を追い込んだものの、最後の最後にロブで頭上を抜かれて押し戻される。この窮地を脱する一打こそが、股抜きショット。成功できれば、拍手喝さいは間違いない。こっそり練習して、機会が訪れた時には果敢にチャレンジしてみよう。股抜きの打ち方を、全日本選手権複優勝などの実績を持つ、佐藤文平プロが教えてくれた。

「股抜きは、緊急事態で一か八かで打つものと思われがちですが、そうではありません。同じような状況で、身体の横から打ち返すこともできますが、それではラケット面が相手に丸見えです。しかし股抜きなら、身体でラケットが隠れ、打つ瞬間まで相手にコースを見破られないというわけです。

 一般プレーヤーなら『股抜きロブ』を試してみるのがお勧め。直線的に打つよりも、放物線の軌道を通した方が、成功率は高まります」

 早速、打ち方を教えてもらおう。股抜きの最大のポイントは、打点である。「後ろへ飛んでいくボールを追いかけ、股の間を通して追い越した背中側の打点で打ちます。追い越せずに、身体の前側で打つと、ボールを持ち上げられません。

 打点はできるだけ低くしてください。高い打点で打つと、ラケットが身体に当たります。特に股抜きでロブを打つ場合は、打ち上げる必要があるので、ラケットヘッドを返して打てるようにしましょう。2バウンドする直前に、面先を使って打つというのがコツです」
 
 普段、打つことがないため、股の間から打つ経験を培うことが何よりも必要。段階を踏んで練習して身に付けよう。

【練習法】
1/自分で足元に落としたセルフトスのボールを打つ
2/近くの相手から手出しでボールを出してもらう
3/ラケットで出してもらう
4/ネットの向こうから出してもらう

 股抜きが打てるようになるには練習が必要だ。短い距離で感覚をつかみながら、距離を伸ばしていこう。

解説=佐藤文平
早稲田大学時代にインカレを制し、卒業後プロ転向。ワールドチームカップ日本代表、全日本選手権複優勝などの実績を残す。日体大大学院博士後記課程でスポーツバイオメカニクスを研究し、多摩大学専任講師として教鞭をとる。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2019年6月号から抜粋・再編集

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