海外テニス

黒人男性殺害を受け、テニス界から16歳のガウフ、22歳のティアフォーらが声を上げる。大坂なおみも賛同

THE DIGEST編集部

2020.06.02

脈々と続き、今でも根強いアメリカの人種差別問題に対して、アメリカのガウフ(左)、ティアフォー(右)が声を上げた。(C)Getty Images

 5月26日、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスにて、白人警察官が黒人男性ジョージ・フロイドさんの首を膝で押さえつけ、死亡させた事件が起こり、現在、抗議活動デモや、暴動へと発展している。

 この事件を受け、プロテニス選手たちが声を上げた。まず、アメリカの16歳、昨年のウインブルドンと今年の全豪で4回戦に進出した、ココ・ガウフがTwitter(@CocoGauff)で、「これが人種差別と戦うために、私の声を使っている理由です」と、自身の思いをあえて字幕のみで表現。かつて同様の被害にあった方々の写真を動画で紹介し、最後に「次は私?」「私は私の声を使う。あなたは?」とメッセージを送った。

 そして、同じく22歳の若手男子プレーヤー、フランシス・ティアフォーが、インスタグラム(@bigfoe1998)を更新。ガウフと同じくメッセージ性のある動画に大坂なおみ、セレナ・ウィリアムズ、ガエル・モンフィス、ジョー-ウィルフリード・ツォンガらが登場し、話題を呼んでいる。

「もうたくさんだ」
「"問題になっていることに沈黙するようになった時、我々の命は終わりに向かい始める"(マーティン・ルーサー・キング・Jr.)この投稿に賛同してくれた皆さん、ありがとうございます。(差別問題の解決は)私たち1人ひとりから始まるのです」というコメントとともに掲載された動画は、ティアフォー本人と、昨年NCAA女子テニスチャンピオンのアヤン・ブルームフィールドが並んでいるところから始まる。
 
 ティアフォーが「普通ではない日々のなか、皆さんが無事でいることを願っています。アヤンと僕は、ここ米国で起こっていることに対する自分たちの思いを伝え、表現する必要があると感じました」とコメントする。続いて「この国で、不条理な死を遂げた数多くのアフリカ系アメリカ人がいることへの認知を広めるため、ちょっとしたジェスチャーをしたいと思います。この問題は、テニスよりも確実に重要なことです。すべての人々は、階級、性別、民族やその他のどのカテゴリーにも関係なく団結するために、意思表示の機会を活用する必要があるのです」とブルームフィールドが続く。

「今日はラケット置き、そして両手を上げます」とティアフォーが言った後、2人が静かにラケットを置くと、アメリカのアーチスト、ジョン・レジェンドとコモンによる『Glory』が流れ、S・ウィリアムズ、モンフィスらレジェンドを含めたテニス選手たちが、手を上げている映像が流れていく。

 ハッシュタグで#RAQUETSDOWNHANDUP(ラケットを置いて手をあげる)#HANDSUPDONTSHOOT(手を上げている、撃たないで)と流れるこの動画は、6月1日の時点で7万件を超える再生回数となっており、大坂や、キム・クリステルスらが称賛、ビリー・ジーン・キングは「パワフルなメッセージをありがとう。世界はこれを聞く必要がある」とコメントしている。

構成●THE DIGEST編集部

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【動画】ガウフとティアフォーが発信した「手を上げている、撃たないで」