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海外テニス

「私にだって発言する権利はある」黒人差別への抗議活動に積極発言する大坂が、自身の批判の声に反論

誉田優

2020.06.07

人種差別問題に積極的に立ち向かう大坂。日本の大阪で行なわれる抗議活動への支持も表明した。(C)GettyImages

人種差別問題に積極的に立ち向かう大坂。日本の大阪で行なわれる抗議活動への支持も表明した。(C)GettyImages

 世界では新型コロナウイルスの脅威が広がっているが、アメリカでは根強く残る人種差別が大きな社会問題となっている。先日、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが警察官に殺害されたことがきっかけで、反対運動がアメリカの街や、インターネット上に広がっているのだ。

 先週火曜日には、SNSで真っ黒な正方形の画像を投稿し、人種差別に反対するブラックアウトチューズデーと呼ばれる動きが見られた。テニス界からもロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、錦織圭ら多くの選手がこれを支持し、投稿を行なったが、自身も黒人の父を持つ大坂なおみには、これらの動きに思うところがあったようだ。

 大坂は3日に、自身のTwitterで「深く考えずにただ黒い画像を投稿するだけの人たちを批判するべきか、それとも何も投稿しないよりはマシと受け入れるべきか悩んでいます。彼ら(黒い画面を投稿した人々)がもたらしたものは、ちっぽけなパンくず程度の意味しかないわ」とコメント。確かにテニス選手の多くが同じ黒い画面を投稿したのみで、自主的なメッセージを発信しているわけではない。彼女にはこれが不十分だと感じられたのだ。
 
 テニス選手も含めて、すべての人々がこの問題に関心を持ち、もっと声を上げるべきだと主張する大坂。この他にも人種差別に関する様々な投稿を行なってきたが、一部の人々からは「アスリートが政治的発言をするべきではない」との指摘も受けている。

 大坂はこういった声にも反論し「アスリートは政治的な話題に首を突っ込むべきじゃない。ただ楽しませるだけでいい、と色々な人に言われるのが本当に大嫌い。まず、私が言っているのは人権の問題よ。そして、私にだってあなたたちと同じように発言する権利はある。そんな論理がまかり通るなら、IKEAで働いている人はグローンリード(IKEAのソファ)の話しかしちゃだめなの?」と、なおみ節で怒りをあらわにした。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda

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