男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチと同ランク2位のラファエル。ナダルが、2020年全米オープン開催に向けた規制案について、異論を唱えている。両選手が海外メディアのインタビューで語った内容を欧州スポーツメディア『EURO SPORT』が伝えた。
8月31日に開幕が予定されている今シーズンの全米オープンだが、会場となるフラッシング・メドウズ・パークは、新型コロナウィルスの感染拡大がまだ終息していないアメリカ・ニューヨーク市内にある。同大会を主催するUSTA(全米テニス協会)は、開催を視野に、無観客試合加え、大変厳しい規制を提案している模様だ。
これについて、同大会で3度の優勝を飾っているジョコビッチは、母国セルビアの民放放送局『Prva TV television』のインタビューに応え、「(グランドスラムを公認大会とする)ITF(国際テニス連盟)の統括メンバーと電話で話をした。内容はシーズン続行についてと、大半は、8月下旬に予定されている全米オープンに関してだった。けれど、開催するかどうかはわかっていないんだ」とコメント。
その際に同連盟から告げられた規制は、きわめて厳しいものだったと言う。ジョコビッチは、「開催する場合、(会場近くの)マンハッタンに行くことはできず、空港付近のホテルに宿泊しなければならない。週2~3回の検査も義務付けられている」と明かした。
「加えて、選手に帯同できるのはチームから1名のみ。まったく無理な話だ。コーチ、それにフィットネス・トレーナーと理学療法士は欠かせない存在だからね」と続け、「連盟が出した提案のすべては、極端に厳格なものだ。財政的な理由、締結済みの契約や(大会開催を望む)主催者側の事情は理解できる。でも、いったい、どうなるのか…」とコメント。安全確保の重要性を示しつつ、現段階の規制案は非現実的なものと異論を唱えた。
グランドスラムで通算19勝を記録し、昨年の全米優勝者でもある世界ランク2位、ラファエル・ナダルも、この規制案について米国メディアの共同ビデオインタビューに答え、「(提示された規制は)妥当なものではない。理想にはほど遠いよ。現段階でテニスをするためにニューヨークまで行きたいか?と聞かれたら、答えは『ノー』だね」と、ジョコビッチと同様に難色を示した。
ナダルは、選手たちが連盟に明確な意見を伝える必要性と、この難局に際して手本となる姿勢を示すことの重要性にも言及。そして、「けれど、(全米オープン開幕予定まで)まだ2カ月ある。その頃(現地の)状況がどのぐらい好転しているか自分にはわからないが、希望は持っているよ」とコメントした。
また、同大会を含めたツアー再開についても持論を述べた。テニスを筆頭に接触の少ない競技でも、依然として規制が続く国々があることを踏まえ、「完全に安全が確保できるまで、再開は待つべきだ。選手の公平性を守る観点からも、大会参戦のため世界各国へ安心して渡航できる状況になるまではね」「急がずに落ち着いて、物事を正しく進めるべきだ」と慎重な意向を示した。
全米テニス協会は6月中旬に全米オープン開催について、最終判断を行なうと発表しており、どのような決定がなされるのか注目が集まる。
構成●THE DIGEST編集部
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8月31日に開幕が予定されている今シーズンの全米オープンだが、会場となるフラッシング・メドウズ・パークは、新型コロナウィルスの感染拡大がまだ終息していないアメリカ・ニューヨーク市内にある。同大会を主催するUSTA(全米テニス協会)は、開催を視野に、無観客試合加え、大変厳しい規制を提案している模様だ。
これについて、同大会で3度の優勝を飾っているジョコビッチは、母国セルビアの民放放送局『Prva TV television』のインタビューに応え、「(グランドスラムを公認大会とする)ITF(国際テニス連盟)の統括メンバーと電話で話をした。内容はシーズン続行についてと、大半は、8月下旬に予定されている全米オープンに関してだった。けれど、開催するかどうかはわかっていないんだ」とコメント。
その際に同連盟から告げられた規制は、きわめて厳しいものだったと言う。ジョコビッチは、「開催する場合、(会場近くの)マンハッタンに行くことはできず、空港付近のホテルに宿泊しなければならない。週2~3回の検査も義務付けられている」と明かした。
「加えて、選手に帯同できるのはチームから1名のみ。まったく無理な話だ。コーチ、それにフィットネス・トレーナーと理学療法士は欠かせない存在だからね」と続け、「連盟が出した提案のすべては、極端に厳格なものだ。財政的な理由、締結済みの契約や(大会開催を望む)主催者側の事情は理解できる。でも、いったい、どうなるのか…」とコメント。安全確保の重要性を示しつつ、現段階の規制案は非現実的なものと異論を唱えた。
グランドスラムで通算19勝を記録し、昨年の全米優勝者でもある世界ランク2位、ラファエル・ナダルも、この規制案について米国メディアの共同ビデオインタビューに答え、「(提示された規制は)妥当なものではない。理想にはほど遠いよ。現段階でテニスをするためにニューヨークまで行きたいか?と聞かれたら、答えは『ノー』だね」と、ジョコビッチと同様に難色を示した。
ナダルは、選手たちが連盟に明確な意見を伝える必要性と、この難局に際して手本となる姿勢を示すことの重要性にも言及。そして、「けれど、(全米オープン開幕予定まで)まだ2カ月ある。その頃(現地の)状況がどのぐらい好転しているか自分にはわからないが、希望は持っているよ」とコメントした。
また、同大会を含めたツアー再開についても持論を述べた。テニスを筆頭に接触の少ない競技でも、依然として規制が続く国々があることを踏まえ、「完全に安全が確保できるまで、再開は待つべきだ。選手の公平性を守る観点からも、大会参戦のため世界各国へ安心して渡航できる状況になるまではね」「急がずに落ち着いて、物事を正しく進めるべきだ」と慎重な意向を示した。
全米テニス協会は6月中旬に全米オープン開催について、最終判断を行なうと発表しており、どのような決定がなされるのか注目が集まる。
構成●THE DIGEST編集部
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