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海外テニス

ATPが400名以上のテニス選手とコーチを集めビデオ会議を実施。今後のツアーや全米オープン2つのプランついて意見交換

スマッシュ編集部

2020.06.12

様々な規制の下で開催される予定の全米オープン。写真=山崎賢人(THE DIGEST写真部)

様々な規制の下で開催される予定の全米オープン。写真=山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 米メディア『ニューヨーク・タイムズ』が11日(現地時間)に報じたところによると、ATP(男子プロテニス協会)が400人以上の男子選手やコーチを集めて、オンライン会議を実施したという。

 USTA(全米テニス協会)のメンバーも含めて行なわれたこの会議では、新型コロナウイルス対策の下で実施される全米オープンについての話題をメインに、今後のツアースケジュールなどの説明がなされた。

 まず、現在7月31日までの中断が決定している男子テニスツアーだが、その点は今のところ変更なく、8月上旬での再開を予定。全仏オープンなど一部のクレー大会は延期となり、再開後のツアースケジュールを圧迫している状態だが、11月22日のATPファイナルズ終了後に他大会をリスケジュールすることはない、とも伝えられた。

 8月31日から9月13日までの全米オープンについては、2つの実施プランを検討しているという。

 1つ目のプランは、ウェスタン&サザン・オープン(例年はシンシナティで開催)と全米オープンを2週連続、同会場で開催。全米オープンは予選ラウンドをカットし、ダブルスのドローも64から24へ減らすというもの。

 2つ目のプランは、ウェスタン&サザン・オープンを中止し、全米オープンでの予選ラウンド、ダブルスのドロー数の削減は行なわないというものだ。
 
 すでに報じられているように、新型コロナウイルス感染対策のため全米オープンにはいくつかの規制がなされる。参加する選手の宿泊は、会場から離れた空港近くのホテル。そして帯同が許させるスタッフはコーチのひとりだけ、というような内容だ。

 このような状態での大会開催にはノバク・ジョコビッチや、ラファエル・ナダルなどのトッププレーヤーが異論を唱える反面、グランドスラムで多額の賞金獲得を目指す一部の選手からは開催を切望する声が上がるなど、選手間でも見解が分かれている。

 また、このビデオ会議では、選手側からの意見や提案も行なわれた。全米オープンに出場できる選手はいいが、出場できない多くの下位選手たちには他にポイントを得るチャンスがない。このことが公平性に欠けるとして、日本の錦織圭を含む数名から、大会でのポイント付与を廃止しては?との提案がなされたが、大会側は大手テレビ局の放映権に影響を及ぼすとしてこれを却下。

 2014年大会のチャンピオン、マリン・チリッチは「出場条件を考えると選手への賞金を増やすべきだ」と主張したが、こちらについても大会側から「今年の我々の収入は悲惨。月曜日にもスタッフを130人一時解雇したばかりで、これ以上の増額は無理だ」と反対されたようだ。

 大会会場のあるニューヨークは、新型コロナウイルスの感染者が減少傾向にあるが、カリフォルニアやテキサス、アリゾナなど計21州ではいまだ増加し続けており、予断は許さない状況だ。全米オープンについては、6月15日のプレーヤーズカウンシルでさらなる議論が行なわれるという。

構成●スマッシュ編集部

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