レッスン

勝手にいいボールが行き、ミスも減る――清水悠太プロが実践する両手バック一石二鳥のコツ【プロが明かすテニス上達法】

スマッシュ編集部

2020.06.20

身体の軸を真っすぐにして打った清水悠太の両手バックハンド。18年全日本選手権より。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 プロテニス選手は、目の覚めるようなスピードショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回はナショナルメンバー(男子ユース)である清水悠太選手の2回目。両手打ちバックハンドに関するアドバイスだ。

 ライジングのフォアハンドを武器にする清水選手だが、実は「自分の中ではフォアよりバックの方が得意」だと言う。回転量を抑えめにして、伸びのあるボールを打ち込むのが、清水選手のバックの特徴。そのコツはどこにあるのだろうか?

「第一に意識しているのは後ろ足です。僕は左利きなので右足になります。まず右足をボールの後ろにセットして(2コマ目)、それから前側の左足を踏み込むということです(4コマ目)。そうすると前に体重を乗せやすくなります」

 体重を乗せることでボールの威力が上がるが、もう1つメリットがあると清水選手は言う。
「後ろ足をしっかり置くことで、身体を真っすぐに保てて、バランス良く打てるんです(7コマ目)。力を入れなくても勝手にいい球が行きます」
 
 軸がしっかりしていれば、威力の面でも安定性の面でもプラスに働く。これはかつてミスに苦しんだ清水選手が、身をもって学んできたコツだそうだ。

「身体を真っすぐに保つということは、昔から結構言われました。以前は打つ時に右肩が上がって、身体が前傾しがちだったんです。そのためネットミスが多かったんですが、後ろ足を意識するようにしたら真っすぐになり、ショットも安定するようになりました」

 バックハンドは一般愛好家にとって特に悩みが多いショット。強く打ちたい! ミスを減らしたい! と願ういずれの人にも、「後ろ足の決め」は有効なアドバイスになるはずだ。

【プロフィール】清水悠太/しみずゆうた
1999年6月9日滋賀県生まれ。163cm、62kg、左利き。2017年世界スーパージュニア優勝、全米ジュニアダブルス準優勝などの成績を残し、18年にプロ転向。小柄ながらテンポの速い攻撃と俊敏な動きを武器に、すでにITFツアーで8勝を挙げている。19年全日本選手権準優勝。現在ATPランキング315位(3/16付)。三菱電機所属。

構成●スマッシュ編集部

※『スマッシュ』2019年5月号より再編集

【PHOTO】清水悠太のバックハンド、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』