海外テニス

23歳のメドベージェフがディミトロフをストレートで破り、初めてのグランドスラム決勝へ

内田暁

2019.09.07

3大会連続で決勝に進出している絶好調のメドベージェフ。写真:山崎賢人(スマッシュ写真部)

全米オープン男子シングルス準決勝/9月6日(現地時間)
D・メドベージェフ(RUS) 7-6(5) 6-4 6-3 G・ディミトロフ(BUL)

 これが、3大会連続決勝進出で得た、勢いと自信だろうか。メドベージェフがディミトロフをストレートで破り、全米オープンでも決勝進出を果たした。

 準々決勝のフェデラー戦で、体力勝負に持ち込み奏功したディミトロフには、その時の良いイメージがまだ身体に残っていただろうか。最初のポイントから、バックではスライスを多用するなど、長い打ち合いを挑んでいった。だが、ベースラインでしぶとくつなぎポイントを作るものの、決めに行った強打がラインを割る場面が目立つ。タイブレークの末に、第1セットはメドベージェフの手に渡った。

 この第1セットを奪った時、「流れが自分に来た」とメドベージェフは言う。第2セットも、メドベージェフが先にブレークし、ディミトロフが追いすがる第1セットと同様の展開に。だが今度は、タイブレークにもつれ込むより先に、ボレー等で攻めたメドベージェフがブレークしてセットをつかみとる。第3セットも、やはりメドベージェフが先にブレークし、今度はディミトロフの反撃を許さなかった。
 試合がスコア以上に競った内容だったことは、2時間38分の時間にも映し出される。ディミトロフは「ほとんど差はなかった。いくつかの重要な局面でのポイントを彼が取っていっただけで」と言ったが、その重要な局面をいかに取るかが勝敗に直結する。そして、メドベージェフがそれら「重要なポイント」を取れたのは、3大会連続の決勝進出で得た自信が大きいと言った。
 
 そのメドベージェフが決勝で相対するのは、カナダ・マスターズの決勝で破れたナダル。「初めてのグランドスラム決勝で対戦するのが彼だなんて、とてもうれしいこと」。そう言い相好を崩す彼が、求めるのは異なる結末だ。

取材・文●内田暁
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