海外テニス

四大大会14勝を誇る不世出のオールラウンダー、サンプラス。これが代名詞のダンクスマッシュだ!【レジェンドFILE21】

スマッシュ編集部

2020.06.27

真上にジャンプして、豪快に叩きつけるサンプラスのダンクスマッシュ。彼をマネして多くの選手が取り入れるようになった。写真:スマッシュ写真部

 サンプラスを「史上最強の王者」と評しても、誰も異論を挟むまい――引退してしばらくは、そんなことは常識だった。サービス、ボレー、ストロークと全てに秀で、攻撃はもちろん受けにも強い。

 しかし、わずか数年後には、彼の「史上最強」の称号を脅かす存在がテニス界に現れた。それがサンプラスと同じオールランドプレーヤーのロジャー・フェデラーだ。

「全盛期のサンプラスとフェデラーが戦ったらどっちが強いか?」はテニスファンの間でいつも語られるテーマ。冷静に評価するなら、クレーコートを苦手としていた(全仏だけ取っていない)サンプラスの分が悪いのかもしれないが、速いコートならサンプラスの方が…という声も多い。

 なんにせよ、オールラウンダーの彼はどのショットも一級品だった。ここで何の分解写真を紹介するか迷うところだが、彼を象徴するショットとして、「ダンクスマッシュ」を取り上げることにしよう。
 
 通常のスマッシュは、頭上を越えていきそうなロブに対して後ろに飛ぶものだが、真上や前に飛んで豪快に叩くのがダンクスマッシュ。言い換えれば、止まっていても打てる状況でサンプラスは飛ぶのだ。

 これは技術的な必要性よりも、相手に与える精神的ダメージや、観客へのアピールを目的にしたショットと言える。イメージとしては今の「エアK」のようなショットで、サンプラスがこれでダイナミックにポイントを決めると、観衆は多いに盛り上がった。つまりそれだけ彼には余裕があった、というわけだ。

【プロフィール】ピート・サンプラス/Pete Sampras(USA)
1971年生まれ。ATPランキング最高位1位(93年4月)。グランドスラム通算14勝(AUS:94・97年、WIM:93~95・97~00年、US:90・93・95・96・02年)。90年代に頂点を極めた不世出の天才オールラウンダー。大会史上最年少の19歳28日で90年全米オープンを制し、GS初タイトルを獲得。以降は無類の強さを発揮し、GS優勝数14回は男子選手としてフェデラー、ナダル、ジョコビッチに次いで歴代4位。最後のGS制覇となった02年全米で現役を引退した。

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部

【PHOTO随時更新】サンプラス、アガシetc…伝説の王者たちの希少な分解写真/Vol.2
 
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