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海外テニス

【ウインブルドン名勝負】80年男子決勝/世界が興奮した伝説のタイブレーク。ボルグがマッケンローを破り5連覇!

スマッシュ編集部

2020.06.29

ボルグ(左)は驚異的な粘りを見せたマッケンロー(右)を振り切り、レンショウ、ドハティに続く史上3人目の5連覇を達成した。(C)Getty Images

ボルグ(左)は驚異的な粘りを見せたマッケンロー(右)を振り切り、レンショウ、ドハティに続く史上3人目の5連覇を達成した。(C)Getty Images

 本来ならば今日、6月29日はウインブルドンの開幕日。残念ながら中止となってしまったが、月刊スマッシュのバックナンバーから、過去の名勝負の記事をシリーズでお送りしよう。1回目は1980年の男子決勝、ボルグ対マッケンローだ。

   ◆   ◆   ◆

 テニス界の頂点に立つ男は誰か? 1980年7月5日、全世界の視線は薄日の差すウインブルドン・センターコートに立つ2人の若者に注がれた。史上3人目(※当時)の5連覇に挑むビヨン・ボルグ、そして前年のUSオープンの覇者マッケンロー。第1、第2シードの激突である。

 15000人を優に超える観衆が見守るなか、マッケンローのサービスでクライマックスの幕は上がった。腰の回転を利かせた強烈なスピンサービスに、さすがのボルグも手を焼き、リターンが浮いたところをマッケンローはすかさずボレー。第1セットを6-1で簡単に奪った。

「ボルグ危うし」とスタンドは騒然、しかし鋼鉄の意志を持つ男は冷静に勝機をうかがった。第2セット第12ゲーム、鮮やかなリターンエースをきっかけにマッケンローのサービスを初めてブレーク。7-5でこのセットを取り、波に乗った。
 
 続く第3セットを6-3、第4セットも5-4とボルグがリードして、ついにマッチポイントを2本握る。「勝負あった」と静かにその瞬間を待つスタンドは、やがて大いなる奇跡に沸き返った。眠れる若獅子マッケンローが大逆襲、タイブレークに持ち込み、マッチポイントを逃れること5度、18-16で奪って試合を振り出しにしたのだ。

 ファイナルセットに突入した試合は、すでに3時間を超えている。第4セット終盤の激闘はそのままファイナルセットに引き継がれた。ボルグのうなりを上げるようなトップスピン、マッケンローの飛び上がるようにして放つスーパーショットが交錯する。ウインブルドン史上に残る死闘は、ボルグの両手バックのパッシングショットが鮮やかにクロスに決まり、8-6で終止符が打たれた。

 その結果、ボルグは栄光の5連覇を達成したが、2人が死力を尽くした4時間のドラマこそ、1980年ウインブルドンの真の主役であった。

◆1980年男子決勝
B・ボルグ[1-6 7-5 6-3 6-7(16) 8-6]J・マッケンロー

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ1980年9月号を再編集

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