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海外テニス

テニス史に名を残す天才、マッケンロー。芸術的なボレータッチに誰もが驚嘆した【レジェンドFILE5】

スマッシュ編集部

2019.12.14

相手にコースを読ませないマッケンローのボレー。写真:スマッシュ写真部

相手にコースを読ませないマッケンローのボレー。写真:スマッシュ写真部

 フラットのジミー・コナーズ、トップスピンのビヨン・ボルグがトップを争っていた時代に、突如現れたのが、スタンフォード大学の学生だったジョン・マッケンローだ。

 ストロークで戦っていたコナーズ、ボルグに対抗するように、ボレーやスライスを駆使したマッケンロー。ふてぶてしい態度は時に非難の的となり、コナーズから「悪童」の名を引き継いだりもしたが、それ以上に彼のプレーは鮮烈で世界中がファンとなった。

 ストリングを緩く張り、手元の微妙な面操作だけでボールを思った所にコントロールする天才的なボールタッチに、テニスファンは痺れた。マッケンローと一緒のラケットを買い、マッケンローと一緒のテンションでストリングを張ったテニスファンがたくさんいたが、彼のようなタッチを出せるわけもなく、改めてその才能を見直すこととなった。
 
 マッケンローのショットには独特の感性が感じられる。イマジネーションに富んだ狙い所や、ボールの強弱のつけ方は絶妙で、相手の予測を見事に外した。

 このフォアボレーもその典型と言える。身体をやや開き気味にした6コマ目の体勢を見ると、いかにもクロスに打ちそうだが、彼は瞬時にラケットヘッドを遅らせて、逆クロスに送っている(7コマ目)。並のプレーヤーには真似のできない、感性溢れるテクニックだ。

【プロフィール】ジョン・マッケンロー/John McEnroe (USA)
1959年生まれ。ATPランキング最高位1位(80年3月)。グランドスラム通算7勝(WIM:81・83・84年、US:79~81・84年)。テニス史に残る天才的サーブ&ボレーヤー。審判にかみついたり、ラケットをたたきつけるなどマナーの悪さは有名で、「悪童」と呼ばれた。80、81年のウインブルドン決勝で演じたボルグとの死闘は、今なお語り草となっている。年末ランキングでは81~84年連続1位。絶頂期の84年にマークした年間勝率96.5%(82勝3敗)は歴代最高。ダブルスでもGS9勝を挙げている。

【PHOTO】ボルグ、コナーズetc…伝説の王者たちの希少な分解写真を公開!

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部
 

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