海外テニス

最強のママさんテニスプレーヤー、クリステルスがワールドチームテニスで復帰後初勝利

スマッシュ編集部

2020.07.17

公式記録ではないが、復帰後初勝利を挙げたクリステルス。(C)GettyImages

 WTAツアー単複通算52勝、そのうちグランドスラムではシングルス4勝、日本の杉山愛と組んだダブルスでも2勝を上げ、2003年8月にはシングルス、ダブルスともに世界ランク1位を記録するなど、女子テニス界で一時代を築いたキム・クリステルス。

 07年に一度現役を引退した彼女は、08年に第1子の出産を経て09年に現役復帰。その年の全米オープンでは、セレナ・ウィリアムズら強豪を次々と下し、早々にグランドスラムタイトルを獲得すると、翌年にも全米で連覇に成功。2011年には全豪オープンで初優勝を飾るなど、母親になってからも大活躍を見せた。そして彼女は12年に再び出産のため引退。13年に第2子、16年に第3子を出産したが、昨年9月に、ツアーを回っている頃の「あの感覚が恋しい」と現役復帰を電撃発表し、今年2月に復帰を果たしていた。

 2度目の復帰後に出場した2大会では、どちらも初戦敗退を喫したクリステルス。現在彼女は、アメリカで毎年行なわれているテニスのチーム戦『ワールドチームテニス(WTT)』に、「ニューヨーク・エンパイア」の一員として参加している。そして、13日(現地時間)にベルナルダ・ペラとのシングルスマッチを5-2で制し、久々の勝利をジャック・ソック、ニール・スカプスキらチームメンバーと共に喜んだ。
 
 さらに、15日(現地時間)には、今年の全豪オープン女王であるソフィア・ケニンを5-3で破る大金星。試合中に見られた、クリステルスの伸びのあるパワフルなストロークは、まさに全盛期の頃のそれを感じさせた。

 年の差なんと16歳のこの2人。クリステルスの2度目の引退時には、ケニンはまだ13歳だったため、もちろん今回が初対戦なわけだが、実は15年前、すでに印象的な出会いを果たしていた。それは2005年のマイアミ・オープンでのこと。当時6歳のケニンは、将来のトッププレーヤーを夢見る少女としてWTAの番組に出演し、大会会場でプロの世界を体験学習していたのだが、そこで"お姉さん役"として彼女をエスコートしたのがクリステルスだった。

 それを踏まえた上での今回の対戦は、両者にとって非常に感慨深いものだっただろう。"お姉さん"としての貫禄をみせた形のクリステルスだが、3度目のツアー生活を可能な限り長く続けて、これからもケニンとの"姉妹対決"を見せてほしいものだ。

構成●スマッシュ編集部

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