海外テニス

「ビッグ3に打ち勝つ能力がある」過小評価されるワウリンカについて、コーチのノーマン氏が力説

誉田優

2020.07.26

2013年からタッグを組むノーマン氏(左)とワウリンカ(右)。(C)GettyImages

 2000年には、自身でも世界ランク2位に立った経験を持つマグナス・ノーマン氏は、現在、コーチとしてスイス出身のスタン・ワウリンカと共にテニス界を歩み続けている。彼はATP(男子プロテニス協会)のラジオ番組に出演し、ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチらが席巻する時代に一石を投じるのが、現在17位のワウリンカであると語った。

「スタンは歴代最高レベルのテニス選手のひとりだ。記録を見るだけでも、その素晴らしさが分かるだろう。ビッグ4も出場していた3度のグランドスラムで、しかも全豪、全仏、全米と、それぞれサーフェスの異なる大会で優勝している」

 そうしたワウリンカのキャリアを踏まえ、ノーマン氏は「彼は少し過小評価されている」という。グランドスラムに加え、オリンピック(ダブルス)で金メダル、デビスカップでも代表メンバーとして優勝を果たしたが、2018年1月以降はトップ10から陥落。膝の手術を経験するなど、苦難の時期が続いていることが、世間からの評価が低い大きな要因だろう。
 
 ノーマン氏はこうも言う。

「調子の良し悪しはある。ビッグ3のような安定性にはまだ到達していないが、本調子の時ならば、彼ら全員に打ち勝つ能力があるはずだ。それが彼の特別な才能なんだ。スタンはギャンブラーで、少しのマージンで賭けに出る。赤か黒かに全運を託すタイプなんだ」

 昨シーズン後半から、徐々に復調の兆しを見せていたワウリンカ。ツアー中断中の現在は、オンコートでもオフコートでも順調なトレーニングを積んでいるようだ。ツアーが再開するころには、ノーマン氏と共に完全復活した姿を見せてくれるかもしれない。

文●誉田優

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