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レッスン

左右の腕を上げるタイミングをズラしてパワーアップしたナダル【サービスフォームの変遷|1】

スマッシュ編集部

2020.08.01

左/2017年は、ボールを放した直後ラケットがまだ下の方にある。右/2010年はラケットが肩付近にある。写真:THE DIGEST写真部

左/2017年は、ボールを放した直後ラケットがまだ下の方にある。右/2010年はラケットが肩付近にある。写真:THE DIGEST写真部

 テニスのショットの中でも、サービスのフォームは難易度が高い。実はプロでさえ、最初から完璧なフォームで打てていたわけではない。改良しながら自分に合うフォームを探求しているのだ。プロがどのようにフォームを変えて効果を上げたのか、史上最年少で全日本選手権を制した谷澤英彦氏に解説してもらった。プロの変更点を参考にして自分に適したより良いサービスフォームを手に入れよう。

 1回目はラファエル・ナダルで、2010年と2017年を比較した。

「2010年は左右の腕を同じタイミングで上げて、トロフィーポーズをしっかりと決めていました。2017年ではトスを上げた非利き手はそのまま上に上げて、利き腕は1度下に持っていってから上げています。つまり左右の腕を上げるタイミングをズラしているのです。

 この意図は身体のひねりをより使えるようにするためでしょう。タイミングをズラした方がひねりやすくエネルギーを貯めることができます。ひねりを大きくする分だけ、ボールを捉えるのは難しくなりますが、より大きなパワーを生み出せます」
 
 他の変化としてもう1つ、構えの時のラケットの位置も変わっている。これについては、「2017年で構えの段階でラケットを高い位置に構えているのは、『高い場所から、低く、そして再び高く』という、テイクバックのリズムを取りやすくするための変更点だと思われます」

 昔はバンザイするようにラケットを上げていたナダルのサービス。そのフォームが間違っているわけではないが、サービスを改善したいと思っているなら、この左右の腕をズラして上げるフォームにトライしてみるのもいいだろう。

解説=谷澤英彦(マサスポーツシステム)
1989年に17歳9カ月の史上最年少で全日本選手権を制覇。現役時代はデ杯日本代表に名を連ね、引退後は守屋宏紀をジュニア時代から育てた。現在は橘テニスアカデミーでジュニア育成に携わる。日本テニス協会公認S級エリートコーチ。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2017年9月号から抜粋・再編集

【PHOTO】ナダルの2010年と2017年を比較した、フォームの変化がわかりやすい連続写真はこちら
 

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