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「500個のベーグルにサーモンを乗せて食べたかな」大坂なおみの“発言”で振り返る全米名シーン。3回戦初突破の2018年

スマッシュ編集部

2020.09.02

ツアーレベルでは初めてというスコアをたたき出して目標をクリアした大坂は、その後さらにアクセルを踏み込み頂点へと向かった。写真:THE DIGEST写真部

 全米オープンで2度目の戴冠を狙う大坂なおみ。ここでは彼女自身が過去に同大会で発した「言葉」にフォーカスし、名シーンを振り返っていく。第2回目は、それまで越せなかった『全米3回戦の壁』を6-0、6-0の"ダブルベーグル"(パンの一種であるベーグルの形が数字のゼロに似ていることが語源)で突破した2018年大会である。

   ◆   ◆   ◆

 最初のサービスゲームで0-40と危ないスタートを切った大坂。しかしこの「相手の素晴らしいプレー」で落とした3連続ポイントが、大坂が常々心掛けている「この舞台にいるのは誰もが素晴らしい選手」という謙虚さと、その想いと表裏の関係にある集中力を引き出した。

「まずはしっかりボールを返す。そのことだけを考えよう」と心掛けた結果、大坂は逆転で第1ゲームをキープ。すると「どういうわけか流れは私の方に来て」、そこから一気に加速して6ゲームを連取して第1セットをゲットした。

 続く第2セットも攻撃の手を緩めることなくアクセルは全開。これまで跳ね返されてきた『全米3回戦』という壁を、わずか50分で、しかも6-0、6-0というツアーレベルでは初めて経験するスコアで、豪快に突破したのである。
 
 試合後の会見では記者から、大会中に縁起を担いだりするかと聞かれ「試合前は毎日同じ朝食をとる」と答えたところ、その朝食の内容を聞かれ、次のように答えた。

「500個のベーグルにスモークサーモンを乗せて食べたかな(笑)」

 大坂らしい回答で会見場の笑いを誘った。

 ただ大坂のコーチを務めていたサーシャ・バインは、「相手に1ゲームも与えなかったからといって、1勝以上のポイントがもらえるわけではないから」と、スコアそのものに大きな価値を付与したりはしない。むしろ「この勝利によってナオミはより注目され、より大きなプレッシャーにさらされることにもなる」と別の側面にも目を向ける。

 もっとも、そのような状況を理解してくれるスタッフが周囲にいることこそが、当時の大坂にとっては大きなアドバンテージとなっていた。

◆2018年全米オープン・3回戦
大坂なおみ [6-0、6-0] アリアクサンドラ・サスノビッチ

構成●スマッシュ編集部

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