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小柄な人はコースで勝負! 奈良くるみがワイドへのスライスサービスで意識しているコツ【プロが明かすテニス上達法】

スマッシュ編集部

2020.09.12

奈良くるみのワイドへのスライスサービス。左手で身体の開きを抑えてヒットし、コントロールは面の角度で行なうのがコツとのこと(7コマ目)/18年USオープンより。写真:THE DIGEST写真部

奈良くるみのワイドへのスライスサービス。左手で身体の開きを抑えてヒットし、コントロールは面の角度で行なうのがコツとのこと(7コマ目)/18年USオープンより。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は日本女子のリーダー格、奈良くるみ選手の2回目として、ワイドへのスライスサービスのコツを教えてもらった。

 奈良選手の身長は約155センチ。「私のサービスはスピードが限られますし、この身長だと回転をかけて、軌道を高くして落としていくことになります」と語る。特にデュースサイドからワイドへ打つスライスサービスが、彼女にとっての生命線だ。

「狙う場所はサイドライン際の、ネットとサービスラインの真ん中ぐらいです。以前は角度があまりついていませんでしたが、今はその場所に落として、切れて行くスライスサービスを打てるように意識しています」

 ワイドへのサービスは、深さを出さず、あえて浅い場所を狙うことで角度がつく。スピードよりもコースで相手を揺さぶる場合、この狙い所は大きなポイントだ。
 
 次に技術面で意識していることを聞いてみた。
「アドサイドだと、打つコースと身体(スタンス)の向きが同じ方向なので、うまい人も多いと思いますが、デュースサイドは違うのが難しい点です」と奈良選手。デュースサイドではよりクローズドに構えるため、スタンスとコースが一致せず、身体を回す必要がある。だから「以前はワイドサービスを打とうとすると、身体も一緒に回転していました」という悩みを持っていた。

 それをどうやって解決したのか?
「身体を回し過ぎないためには、左手をうまく使い、インパクトでボールの方を向いたまま打つことがポイントです。身体の回転は抑え、ラケット面の角度でコースを狙うようにしました。センターだったら真っすぐ当てて、ワイドの場合はラケット面を、ボールを切る角度にして当てています」

「ボールの方を向く」とは、身体を前向きではなく、斜め向きぐらいにとどめるということ。左手で身体を抑えることで、それが可能になる。ワイドにスライスを打つ時、身体が開きすぎる一般愛好家は多い。奈良選手のアドバイスを参考にしてみよう。

【プロフィール】奈良くるみ/ならくるみ
1991年12月30日、兵庫県生まれ。155.5cm、52kg、右利き。小柄だがショットの組み立てがうまく、コートカバーにも長け、長年日本女子のエースとして活躍してきた。2014年リオデジャネイロでツアータイトルを獲得し、WTAランキング自己最高32位をマーク。13年、17年全米、14年全豪で3回戦進出。安藤証券所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2018年1月号より再編集

【PHOTO】奈良くるみのコースを狙ったサービス、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
 

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