海外テニス

「間違いなく人として成長した」大坂なおみが自己分析。“自粛期間”に訪れたメンタル面の変化に言及

東真奈美

2020.09.13

優勝後、コートに横たわる姿が印象的だった大坂。(C)GettyImages

 全米オープンで2度目の優勝を果たした大坂なおみが、優勝記者会見で決勝戦の激闘を振り返った。 

 第1セットは1-6と、意外なほどあっさり落とした大坂だが、やはり緊張から身体が硬くなってしまっていたようだ。「自分のプレーができませんでした。70%の力が出せたらいいなと思っていたけど、少し考えすぎてしまった」と振り返った。

 しかし第2セットでは、「6-1、6-0で負けてしまうことのないように」と、前向きなプレーを心掛け、以降のすべてのポイントで積極的に攻めたという。また、逆転勝利へのターニングポイントについては「第3セットで先にブレークしたこと。もっと早くにブレークしておきたかったけれど……」と語った。

 大坂は過去に、この夏一番の目標について「成長すること、後悔を少なくすること」と話していた。それが実現できたか? と問われると「間違いなく人として成長したような気がします」と力強く答えた。
 
 その実例として、決勝戦での見事なカムバックを挙げる。「簡単に負けてしまうような展開でもあったけど、心からプレーを続けたかったし、もっと競い合いたかった」「正直なところ、勝とうとか考えていたわけではなく、とにかく"勝負"しようと思っていたの。そうしているうちにトロフィーを手にすることが出来たわ」と、メンタル面での成長を語った。

 その成長の要因となったのは、新型コロナウイルスによるツアー停止期間、そして外出自粛期間だったという。「隔離されたことで、自分が何を成し遂げたいのか、人々に(私の)何を覚えてほしいのか、色々と考える機会になったの。この大会にもそういう気持ちで臨んだ。それが間違いなく自分の助けになったと思う」。

 優勝を決めた直後、コート上にしばらく横たわる姿が印象的だった大坂。これは過去の偉大な選手たちにならっての行動だったという。「今まで、素晴らしい選手たちの多くが、コートに横になって空を見上げる姿を見てきた。彼らがどんな景色を見ていたのかを知りたかったの。本当に信じられない瞬間で、やってよかったと心から思うわ」と明かした。

文●東真奈美

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