海外テニス

全米OP失格直後の大会でまたも怒り爆発のジョコビッチ「これが自分の性格」と釈明

スマッシュ編集部

2020.09.23

イタリア国際でも、悪い意味で注目を集めてしまったジョコビッチ。(C)Getty Images

 男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、新型コロナウイルスの世界的な流行でツアーが中断して以降、厳しい時間を過ごしている。

 自らが企画したエキジビション大会『アドリア・ツアー』では、ソーシャルディスタンスを無視し、賑やかなパーティーを開催するなどして、参加選手に多数の感染者を発生させて批判が殺到。さらに、9月前半の全米オープンでは、4回戦で不注意から線審にボールをぶつけてしまい、大会からの失格処分を受けたことで、テニス界に大きなショックを与えた。

 世間から、悪い意味で注目を集めるジョコビッチは、全米オープン後、初の大会となる『イタリア国際(イタリア・ローマ)』に出場。この大会でも、怒りで我を失うシーンが目立った彼に、海外メディアのニュースには「ジョコビッチまたも暴走」、「悪い見本」といった見出しが躍った。

 ジョコビッチは決勝で、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を下し、最終的には優勝でこの大会を終えた。しかし、準々決勝では格下を相手に、サービスゲームをブレークされた後、ラケットを破壊して審判から警告。そして準決勝では、ジャッジに納得がいかず審判と激しい口論を展開した。
 
 その後の会見で「自分が暴走していることは理解しているし、これが自分の性格だ」と語ったジョコビッチ。さらに、「そこ(コート)には1人きりで、いつも強烈なプレッシャーに晒されている。そういった状況下では、このようなことが起きてしまうんだ」と釈明した。

 たしかにジョコビッチの他にも、試合中に怒りをあらわにする選手は多い。元世界ランク1位のアンディー・マリー(イギリス)は、ポイント間でよくスタンドのチームに向けて何かを叫んでいるし、ニック・キリオス(オーストラリア)やブノワ・ペール(フランス)が、ラケットをへし折り、試合を投げ出したりするシーンは、テニスファンならば何度も目にしてきたことだろう。

 自身の暴走を「怒りを発散させるためにやっている」と語るジョコビッチだが、やはり見ている側には気分のいいものではない。それは彼も理解しているようで「特に若いプレーヤーには、最高のメッセージとは言えないだろうね。間違いなく、これを(他人に)推奨するようなことはない」とアピールした。

 歴代最強とも呼ばれる実力を持ちながら、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)という、才能もカリスマも持ち合わせた選手に挟まれ、彼らに人気を奪われてきたジョコビッチ。少々不憫にも思えるが、これから先もしばらくは、世間から厳しい目が向けられるのだろう。

構成●スマッシュ編集部

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