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海外テニス

【錦織圭・全仏テニス名勝負集3】因縁の相手との2日がかりの激闘に勝利。「気力で戦っていた状態だった」/2019年4回戦

スマッシュ編集部

2020.09.30

瀬戸際からの逆転劇に、コーチ席に向かって満面の笑顔を見せた錦織。写真:THE DIGEST写真部

瀬戸際からの逆転劇に、コーチ席に向かって満面の笑顔を見せた錦織。写真:THE DIGEST写真部

 全仏オープンテニス開催に合わせて、月刊スマッシュの過去のリポートの中から、錦織圭の「全仏名勝負」をピックアップしてお送りするシリーズ。第3回は昨年の4回戦、グランドスラムでは因縁の相手であるブノワ・ペール(フランス)とのフルセットマッチだ。

   ◆   ◆   ◆

 グランドスラムでブノワ・ペールと戦う時は、やはり何かしらのドラマが生まれる。

 両者のグランドスラム初対戦は、2013年の全仏オープン。この時は3-1で錦織が比較的楽に勝ったが、15年の全米オープン初戦では、フルセットの末に敗退。18年も全仏で対戦し、錦織がセットカウント1-2からの逆転勝利をもぎ取った。

 そして今年(19年)の全仏では、4回戦での顔合わせ。キャリア最高18位、ツアータイトルも3つ持つペールだが、ローランギャロスで4回戦の舞台に立つのは、これが初の経験だ。

 錦織とペールの両者が最初に足を踏み入れた時、コートスザンヌ・ランランには、ワウリンカとチチパスのフルセットに及ぶ大熱戦の余韻が立ち込めていた。同時に、コートの大半を覆う影が、日没までの時間の短さを示していた。
 
 ペールがせっかちにサービスを打ち込み、忙しないまま過ぎていった第1セット。その攻防は錦織が制したが、第2セットは浮き沈みの激しい相手の調子に振り回され、リズムをつかみきれずタイブレークの末に落とす。

 そんな自分を一度落ち着かせるように、トイレットブレークを取りキャップを深く被って向かった第3セットは、ミスの増えた相手を一気に突き放し30分でスピード奪取。この時点で主審は、試合の順延をアナウンスした。

 日付を変えて再開された第4セットでは、それまで蓄積してきた疲労が一気に身体に落ちてきたかのように、錦織の動きは中盤から鈍くなる。またもタイブレークで競り負けセットを落とすと、もつれこんだ最終セットでは、サービスの確率もフォアの伸びも前日より遥かに増したペールに終始押される展開に。3-5とリードされ、相手のサービスゲームを迎えた。
 

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