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海外テニス

年間エース数は今も破られない大記録。稀代のビッグサーバー、イバニセビッチのフォームはここがスゴイ!【レジェンドFILE29】

スマッシュ編集部

2020.10.04

上体のひねりを最大限に使い、クイックモーションからビッグサービスを繰り出したイバニセビッチ。最速220キロを超えた。写真:スマッシュ写真部

上体のひねりを最大限に使い、クイックモーションからビッグサービスを繰り出したイバニセビッチ。最速220キロを超えた。写真:スマッシュ写真部

 男子テニスの歴史に名を刻むビッグサーバーがゴラン・イバニセビッチだ。通算10131本のサービスエース記録はピート・サンプラスやアンディ・ロディックの上を行き、長く破られることはなかった(現在は歴代4位)。

 特に、芝とインドアカーペットコートで抜群の強さを誇り、ウインブルドンでは4度決勝まで進んで、最後の2001年に歓喜のタイトル獲得。また、母国愛がとても強いこのクロアチアンは、引退後、後輩のマリン・チリッチのツアーコーチを長く務めた。

 プレースタイルとしては、サーブ&ボレーヤーに分類されるが、イバニセビッチの場合はサービスでほぼ大勢を決めてしまい、ボレーは仕上げだけというスタイル。同じサーブ&ボレーヤーでも、オールラウンドで戦ったステファン・エドバーグやパトリック・ラフターとは一線を画す。
 
 時速220キロ近いスピードとともに、左利きでクイックモーションという要素が、レシーバーの対応を困難にしていた。これはイバニセビッチより一時代前のロスコ・タナーと同じスタイルだ。

 連続写真を見てほしい。イバニセビッチのフォームで特に強調されていたのは、上体のひねりである。もともとオープンスタンスで構え(1コマ目)、さらに後ろ足を斜めに寄せるため(4コマ目)、上体のひねりをより大きく作ることができた。そのひねりを強烈に戻しながら腕を振り出すことで(8コマ目)、驚異的なスピードを生めたわけだ。

【プロフィール】ゴラン・イバニセビッチ/Goran Ivanisevic(CRO)
1971年生まれ。ATPランキング最高位2位(94年7月)。グランドスラム通算1勝(WIM:01年)。90年代を代表するビッグサーバー。92~2001年の10年間で6度サービスエース王に輝き、96年に記録した1477本は今なお歴代最多記録となっている。01年ウインブルドンではランキング125位で主催者推薦により出場し、3年ぶり4度目の決勝進出。決勝ではラフターを最終セット9-7で下し、悲願のGS初制覇を果たした。13~16年はチリッチのコーチを務め、14年全米優勝に導いている。

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部

【PHOTO随時更新】イバニセビッチをはじめ、サンプラス、アガシらレジェンドの希少な分解写真
 
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