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海外テニス

「彼のために喜んでいる」ティームは5時間越えの死闘に敗れるも、親友シュワルツマンを祝福【全仏テニス】

中村光佑

2020.10.07

5時間を超える試合を戦い終え、お互いを称え合うティーム(左)とシュワルツマン。(C)Getty Images

5時間を超える試合を戦い終え、お互いを称え合うティーム(左)とシュワルツマン。(C)Getty Images

 テニスの四大大会、全仏オープン(フランス/パリ/クレー)は現地6日に男子の準々決勝が行なわれ、第12シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)が第3シードのドミニク・ティーム(オーストリア)に7-6、5-7、6-7、7-6、6-2で勝利した。

 5時間8分におよぶ死闘を制したシュワルツマンは、自身初のグランドスラム準決勝進出を決めたと同時に、大会後のランキングで初のトップ10入りを確実にしている。

 勝ったシュワルツマンは試合後の会見で、「第2、3セットはチャンスが来ていたのにものにすることができなかったから、自分自身にとてもがっかりしていた」と、接戦になった要因を振り返りつつ、「第4セットのタイブレークでいいプレーができたから、第5セットでも調子を維持しようと努めた。最終的にはティームよりもフィジカルの面で上回ったと思う」と充実した表情を見せた。

 前哨戦のローマの大会では3回戦でナダルに勝利して決勝に進出するなど、クレーで結果を出しているシュワルツマン。記者から「ローマでナダルに勝っているから以前より自信があるのでは?」と次の対戦相手について聞かれると、「1勝10敗(※実際は1勝9敗)だから大きな自信になっているかはわからないけど(笑)、彼に勝つことができるとわかっているのは重要なこと」と、語った。
 
 一方、敗れたティームは会見で、「正直に言うと、今日はもう限界を超えていた」と開口一番に答えた。9月の全米オープンで初のグランドスラムタイトルを獲得したティームは、前哨戦には出場せずに全仏オープンにやってきた。それでも、2週間戦い続けたフィジカルは完全には元に戻っていなかった。

「(今大会では)試合のない日はリカバリーに励むなど、以前はやっていなかったことにもトライした。4回戦の前日は練習をせずに、コンディションを100%に戻そうとした」と身体の回復に最善を尽くしてきたことを明かしたうえで、「ディエゴ(シュワルツマン)は勝利に値する。この勝利で彼は初のトップ10入りするし、初のグランドスラムの準決勝になる。お互い全力を尽くしたし、(この結果に)落ち込んでるけど、彼のために喜んでいるよ」と、納得の表情で締めくくった。

 シュワルツマンは準決勝で全仏12回の優勝を誇る第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する。またしても非常に大きな壁が立ちはだかるが、前哨戦でのナダルからの勝利を自信に、躍動感溢れるテニスで立ち向かってほしい。

文●中村光佑

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