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海外テニス

「タフでプレッシャーに耐えられる者が、最強」世界2位を破った19歳、シフィオンテクの“心”を支えるスポーツサイコロジスト【全仏テニス】

東真奈美

2020.10.06

19歳にしてメンタルの重要性を認識しているシフィオンテクは2年以上前からスポーツサイコロジストを依頼している。(C)Getty Images

19歳にしてメンタルの重要性を認識しているシフィオンテクは2年以上前からスポーツサイコロジストを依頼している。(C)Getty Images

 テニス四大大会、全仏オープンで、19歳のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が、第1シードのシモナ・ハレップ(ルーマニア)に圧勝して話題になっている。自身初となるグランドスラム準々決勝進出という快進撃の背後には、スポーツサイコロジストの助力があるようだ。

 10代でメンタルコーチを依頼するのは稀なことだが、シフィオンテクは、「プロテニス選手なら、最高レベルのプレーの技術があるのは当たり前。勝つためには、精神的なタフさが最も重要なことだと思うわ。タフでプレッシャーに耐えられる者が、最強なの」と、記者会見でメンタルの重要性を強調した。

 彼女のスポーツサイコロジスト、ダリア・アブラオモビッチさんが、若いシフィオンテクのメンタルをどのように磨いたのかを、WTAインサイダーのインタビューで答えている。

 シフィオンテクを約2年間サポートしているワルシャワ出身のアブラオモビッチさんは、まずストレスについて言及した。「ストレスの管理は、どの競技スポーツでも、どのレベルのアスリートにも必要です。それが最大の課題の一つであることは明らかです」
 
 ストレスの扱い方について、わかりやすくツアー再開後のテニスの大会を例にして説明した。「経験豊富な選手たちは、落ち着いていて一貫性があります。若い選手たちは、観客がいない中でどうプレーするべきかを知っています。この2つのグループの選手たちのパフォーマンスが良いと感じました。なぜでしょうか? 期待値が低いからです」

「期待」について、アブラオモビッチさんがよくシフィオンテクに言うのが、アルペンスキーの金メダリスト、ミカエラ・シフリンが五輪後に言った、「期待は低くして、基準を高くした」という言葉だと言う。

「基準を高くするために、日々するべきことや目の前の小さなことに集中すると、脳はそれで忙しくなり、期待することをやめます。そしてストレスも少しずつ軽減されることになります」と解説。シフィオンテクは、この言葉を意識して、今大会をプレーしていることを、自身のツイッターでも明らかにしている。
 
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