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海外テニス

「緊急事態だったんだ!」トイレ休憩でまさかのペナルティーを受けたイバシュカが主審に激怒

中村光佑

2020.10.14

トラブルに見舞われながらも、試合にはなんとか勝利したイバシュカ。(C)Getty Images

トラブルに見舞われながらも、試合にはなんとか勝利したイバシュカ。(C)Getty Images

 現地12日から開催中のサンクトペテルブルク・オープン(ロシア/サンクトペテルブルク、ATP500)では、男子シングルス1回戦で、世界ランク141位のイリヤ・イバシュカ(ベラルーシ)が、同39位のアドリアン・マナリノ(フランス)に6-3、7-6(6)で勝利した。格上をストレートで撃破したイバシュカだったが、この試合中に起こったある“珍事”が話題となっている。

 問題の場面は第2セットの第5ゲームを終えた直後だった。身体に異変を感じたのか、医師の診察を要求したイバシュカは、医師から「メディカルタイムアウト(以下:MTO)中に、トイレ休憩を取ることができる」との説明を受けると、それに同意してコートの外へ。

 ところが、いざ戻ってくると、主審から遅延行為のペナルティーを言い渡されてしまう。どうやらイバシュカがコートを出る際に、正式なMTOはコールされておらず、ただのトイレ休憩とみなされていたようだ。また、明確な時間制限なく(ただし、理にかなった時間)トイレ休憩が取得できるのは試合中に1度のみで、イバシュカはウォームアップ中にも1度トイレ休憩を取っていた。

 MTO中のトイレ休憩を提案した医師は、この1度目のトイレ休憩を把握していなかったのかもしれない。もちろんイバシュカに納得がいかず、主審の判定に猛抗議。「自分はコートに立てなかった。それを理解しているのか?」と主張。
 
 しかし主審は「そもそもMTOでトイレに行くことはできない。本来は君の時間内(規定された90秒)で済ませるべきだった」と反論した。確かに、イバシュカがコートを離れる際には、主審から「できるだけ早く戻ってくるように。これは“君の時間(MTOではない)”だ」と声をかけられていた。

 イバシュカにはこれが聞こえていなかったようだ。「誰も何も教えてくれなかった!緊急事態だったんだ!コート上でトイレを済ませろって言うのか!」と怒りを爆発させた彼だが、最終的に試合を遅延させたことで、3つのタイムバイオレーションが重なってしまい、イバシュカは1ゲームを失うことになった。

『TENNIS.TV』の公式インスタグラム(@tennistv)では一連の抗議の様子を動画で公開。テニスファンからは「馬鹿げた話だ!」「テニスのルールってホント複雑だよね」とイバシュカに同情する声が多かった一方で、「ルールだから仕方がないことだ」という声も上がっていた。

文●中村光佑

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