海外テニス

「まだまだ走り続ける」39歳の“生ける伝説”フェデラー。復帰は来年1月の全豪オープンを予定

中村光佑

2020.10.23

フェデラーの最後の公式戦は昨年の全豪オープン。準決勝でジョコビッチに敗れた。(C)Getty Images

 右ヒザの故障により、今年2月以降戦列を離れている世界ランク4位のロジャー・フェデラー(スイス)。そんな彼が21年度の全豪オープンからの復帰を示唆していることを海外メディア『ユーロスポーツ』が報じている。

 地元スイスの雑誌「Schweizer Illustriete」のインタビューに応じたフェデラーは「自分は(復帰に向けて)正しい道を進んでいる」とした上で、「徐々に復活には向かっているけど、今は調子を取り戻すまでにしっかりと時間をかけたいし、そこまで自分にプレッシャーをかけたくはない。100%になった時にツアーに戻るよ」と現在の状況を冷静に見据える。

 さらに復帰の目途については、「今のところ、全豪オープンの時期には復帰できそうだ」と明かした。ただし、いまだヒザの状態は依然として完璧とはいえず、トレーニングも十分に行なえていない様子。

 自身も「今はまだ、2時間以上ラケットを持って練習することができていない」と不安げに話したが、それでも「(ツアー離脱後)しばらくフィジカル面を強化してきたが、(右ヒザの)痛みは感じていない。今後は手術の必要はないだろう」と順調に復活への道をたどっているようだ。
 
 今年で39歳を迎えながら、なおトップに君臨し続けるテニス界の"生ける伝説"。すでに頭の中では、セカンドキャリアについて考えを巡らせているようだが、まだツアーから離れる時期は決めていない。

「約5年間、引退について考えたことがあったが、自分自身がテニスを楽しんでいて、それが正しいことである限りはまだまだ走り続ける。テニス選手としてのキャリアが終わったら家族のこと、財団やスポンサーのことなどに従事したい」と今後について力強く、前向きに語った。

 先の全仏オープンで、盟友と慕っているラファエル・ナダル(スペイン)が、自身の記録と並ぶグランドスラム20回目の優勝を果たした際には、心のこもった祝福の言葉を送っていたフェデラー。

 だがそれと同時に、自身も更なる高みを目指す姿勢は崩していない。厳しい道のりにはなるだろうが、彼がもう一度、グランドスラムの舞台でトロフィーを掲げる日が来ることを期待せずにはいられない。

文●中村光佑

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