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海外テニス

「自分のプレーに集中した方がいい」レジェンド・ナブラチロワが、ジョコビッチ発足の“PTPA”を批判

Hustle

2020.11.17

PTPAに対し厳しい目を向けるナブラチロワ氏。(C)Getty Images

PTPAに対し厳しい目を向けるナブラチロワ氏。(C)Getty Images

 女子テニス界のレジェンドであるマルチナ・ナブラチロワ氏は、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が新たに設立し、物議を醸しているPTPA(プロテニス選手協会)について、否定的な考えを示しているようだ。

 PTPAは、今年の全米オープンの直前に、ジョコビッチら数人のトップ選手が主導して発足させた選手団体で、ATP(男子プロテニス協会)の意思決定に選手の意見をより反映させることを目的とし、テニス選手個人をサポートする体制を作るという。

 それまで、既存の選手団体であるATP選手協議会の会長を務めていたジョコビッチは、これを辞任した直後にPTPAの立ち上げを表明。ATPやITF(国際テニス連盟)といったテニス界の他の統治団体とも協力する姿勢を示しているが、ATP選手協議会のメンバーであるラファエル・ナダル(スペイン)やロジャー・フェデラー(スイス)は「今は団結の時。分断すべきではない」との懸念を述べていた。

 ナブラチロワ氏は、アイルランドの日刊紙『アイリッシュ・タイムズ』のインタビューに対し、「彼は自分が正しいことをしていると思っている。私はそうは思わない」とジョコビッチの選択を批判。続けて、「現にこの行ないが彼のテニスを助けているようには見えない。今は自分のプレーにエネルギーを注いだ方がいいと思うわ」と自身の考えを示した。
 
 また彼女は、PTPAに否定的な他の多く人々と同様に、今回の発足の“タイミング”について疑問を感じているという。「協会(PTPA)を始めたところで、どのレベル(の選手)にも助けにはならない。このコロナ禍で、彼らは私たちをさらに分断させようとしている。今は必要のないものを作るよりも目の前の問題と向き合うことが大切」だと明かした。

 発足後の会見で、PTPAについて「しばらくの間は影響力がないだろうけど、どこかで始めなければいけなかった」と、選手独自の協会を持つことの必要性を語ったジョコビッチ。選手や他団体から否定的な声が上がっていることについては「理解できない」とし、「この協会が我々のスポーツにとって良くないと考えている選手がいることに、不愉快だと言わざるを得ない」としている。

 不安定な世界情勢の中、まだまだ先行きが見えないテニス界で、PTPAが選手らにどのような影響を及ぼすのか、注目が集まる。

文●Hustle

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