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国内テニス

伊藤竜馬、楽天オープン予選突破ならず…チャンスはつかむも、ミルマンに振り切られる

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2019.09.29

敗れたものの、伊藤の調子は上向きだ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

敗れたものの、伊藤の調子は上向きだ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

【楽天ジャパンオープンテニスチャンピオンシップ2019】
シングルス予選2回戦/9月29日(日)
伊藤竜馬[WC] 6-7(5) 1-6  J・ミルマン

 チャンスは伊藤竜馬にもあった。取るべき数ポイントを押さえていれば、結果は変わっていたかもしれない。

 伊藤にとって初のジャパンオープン予選突破を懸けた相手は、ATPランキング79位のジョン・ミルマン。一発のビッグショットはないが、スピン系のフォアハンドを広角に散らし、深いボールで相手を押し込む嫌らしい相手だ。

 伊藤はミルマンの揺さぶりによく耐えながら、機を見て強打やネットプレーで攻め、オールキープのままタイブレークに持ち込む。その1ポイント目でミニブレークし、その差を保ったまま5-2とした後、ミルマンが2本キープ。5-4で自分のサービスを迎えた。

 しかし、2本キープすればセットを取れるという状況で、伊藤は2本とも落としてしまう。1本はバックハンドをネット、もう1本はミルマンの芸術的なダウンザラインへのパスだった。「自分が攻めていたし、あのパスはどうしようもない」と振り返る伊藤だが、続くポイントもフォアをミスして落とし、第1セットは伊藤の手からするりと逃げてしまった。
「ミルマンはミスの少ない選手。(第1セットを落とし)こっちが少し空っぽにさせられた感じだった」と自ら言うように、第2セットの伊藤は集中力が低下し、完全に崩れてしまった。辛抱強く食らいつく姿勢が消え、リスキーな強打を選択してはミスを量産する。1つキープするのが精一杯で、1-6で敗退。勝負は第1セットで決まっていた。

 試合の中でアップダウンがあった伊藤に対し、ミルマンは常にコンスタントで、楽なポイントをくれない。その積み重ねが徐々に伊藤にはプレッシャーになり、第1セットの土壇場でショットに狂いが生じたのだろう。

 もっとも、伊藤にしてみれば今大会は収穫もあった。5月過ぎから体調を崩した伊藤は、練習では疲労感が抜けず、試合では全身痙攣に見舞われるなどして、精神的にも沈みがちだったという。それが「ようやく先週ぐらいから、ツアー予選に出るということで、ワクワク感が取り戻せてきた」と語る。実際、先週の中国のツアーでは予選を突破、今回も1勝し、復調の気配が見える。

「またいい流れが来ると信じている」と言う伊藤の言葉を、我々も信じよう。

【9月30日の主な試合予定】
〇コロシアム(11時開始)
第1試合 J-L・ストルフ vs 添田豪[WC]
第2試合 N・ジョコビッチ/F・クライノビッチ vs  M・パビッチ/B・ソアレス(4)
第3試合 杉田祐一[WC] vs  M・チリッチ(6)
第4試合 西岡良仁[WC] vs J・ソウザ

■大会情報■
楽天ジャパンオープン
9月30日~10月6日(本戦)
会場・有明コロシアム及び有明テニスの森公園
 
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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