「私は、テニス界のために何がしたい? 私には何ができる……?」
それは伊達公子が、3年前に“セカンドキャリア”を終えた時から、抱き続けた問いだという。
問いへの答を求めるように、早稲田大学大学院の門を叩きもした。その学び舎で改めて強くした思いが、強化や育成のためには「適切な環境整備と、正しい指導」が必須ということである。そこで卒業論文では、ハードコートの重要性を、科学的な論拠を示しつつ訴えた。
そして、もう一つの必須要素である「正しい指導」を満たすため、彼女は自ら立ち上がる。
直接指導するなら、まだ色が付く前の年齢である15歳以下がいい。また、目の届く範囲を考えた時、少数精鋭の理念に至ったのも自然の流れだった。何より伊達には、「私自身、『トップ・オブ・トップ』で育ってきた選手ではない」との自覚……あるいは自負が強くある。だからこそ自分がジュニアを育てるなら、その対象者は、自ら将来性を見極めたいと願った。
そのような理念を掲げ昨年5月に発信したのが、長年のパートナーであるヨネックス社と提携し生まれた『伊達公子×YONEXプロジェクト』。書類選考と選考会を経て4人の第一期生が決まり、東京で第1回キャンプが行なわれたのが、昨年6月末のことである。
プロジェクト発足から1年が経ち、コロナ禍でジュニアの国際大会も次々に中止になるなか、伊達プロジェクトは今年、次なる大きな一歩を踏み出した。それは、伊達自身が“ゼネラルプロデューサー”の肩書を背に立ち上げる、ITFジュニア国際大会。来たる12月2日から6日にかけ、愛媛県松山市で開催される。
伊達がジュニア育成に際し掲げた理念が、「選手が無駄な寄り道をすることなく、目標を持って世界で戦える環境を整える」こと。その順路が愛媛の大会であり、プロジェクトの選手たちには、ワイルドカードを与え早い段階から世界の舞台を踏ませる狙いがある。
ただプロジェクトメンバーだからといって、誰しも出られるのでは意味がない。4人のうち2人はランキングでの自力出場を決めていたが、最年少の山上夏季と成田百那にWCを与えるか否かは、慎重に判断する必要があった。そこで去る11月21~22日に、都内で4人の選手総当たりによる、ワイルドカード選考試合を開催した。
それは伊達公子が、3年前に“セカンドキャリア”を終えた時から、抱き続けた問いだという。
問いへの答を求めるように、早稲田大学大学院の門を叩きもした。その学び舎で改めて強くした思いが、強化や育成のためには「適切な環境整備と、正しい指導」が必須ということである。そこで卒業論文では、ハードコートの重要性を、科学的な論拠を示しつつ訴えた。
そして、もう一つの必須要素である「正しい指導」を満たすため、彼女は自ら立ち上がる。
直接指導するなら、まだ色が付く前の年齢である15歳以下がいい。また、目の届く範囲を考えた時、少数精鋭の理念に至ったのも自然の流れだった。何より伊達には、「私自身、『トップ・オブ・トップ』で育ってきた選手ではない」との自覚……あるいは自負が強くある。だからこそ自分がジュニアを育てるなら、その対象者は、自ら将来性を見極めたいと願った。
そのような理念を掲げ昨年5月に発信したのが、長年のパートナーであるヨネックス社と提携し生まれた『伊達公子×YONEXプロジェクト』。書類選考と選考会を経て4人の第一期生が決まり、東京で第1回キャンプが行なわれたのが、昨年6月末のことである。
プロジェクト発足から1年が経ち、コロナ禍でジュニアの国際大会も次々に中止になるなか、伊達プロジェクトは今年、次なる大きな一歩を踏み出した。それは、伊達自身が“ゼネラルプロデューサー”の肩書を背に立ち上げる、ITFジュニア国際大会。来たる12月2日から6日にかけ、愛媛県松山市で開催される。
伊達がジュニア育成に際し掲げた理念が、「選手が無駄な寄り道をすることなく、目標を持って世界で戦える環境を整える」こと。その順路が愛媛の大会であり、プロジェクトの選手たちには、ワイルドカードを与え早い段階から世界の舞台を踏ませる狙いがある。
ただプロジェクトメンバーだからといって、誰しも出られるのでは意味がない。4人のうち2人はランキングでの自力出場を決めていたが、最年少の山上夏季と成田百那にWCを与えるか否かは、慎重に判断する必要があった。そこで去る11月21~22日に、都内で4人の選手総当たりによる、ワイルドカード選考試合を開催した。