男子テニス世界２位のラファエル・ナダル（スペイン）が、マドリードの最高の栄誉であるドス・デ・マヨ勲章大十字章を受章した。

　ナダルは木曜日、マドリード自治州政府本部のレアル・カサ・デ・コレオスで開催されたイベントで、ドス・デ・マヨ勲章大十字章を授与された。市民への奉仕で模範的な行動が際立っていた人々や機関を表彰する栄誉ある賞である。

　20回のグランドスラムチャンピオンのナダルですら、スペインの首都マドリードで受けた称賛に感傷的になっていたとATP（男子プロテニス協会）公式サイトは伝えている。今年猛威をふるった新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、スペインでは45,000人もの死者を出した。悪夢のような数カ月間、ナダルは愛情溢れるメッセージを送り、人々をサポートした。

　チャリティー活動も積極的に行ない、同じスペイン人の元NBA選手のパウ・ガソルと共に、スペインのスポーツ界から新型コロナウイルスとの戦いのために寄付を募るキャンペーンを立ち上げた。この活動には、多くのスペイン人アスリートたちが賛同し、1400万ユーロ以上の寄付金を集めた。
  　受章のスピーチで、「まず、我々が経験しているこの恐ろしいパンデミックの犠牲者とその家族のことを覚えておきたいと思います。今回のパンデミックは、全ての人に何らかの形で影響を与えると思いますが、何よりも愛する人を失った人たちへのそれは計り知れません」と、犠牲者とその家族へ心を寄せた。

「特に第1波で大きな被害を受けたマドリードでの医療従事関係者の皆さんに感謝します。そして、軍隊と国家安全保障組織にも感謝します。スペインはこれまでもそうであったように、困難な状況を乗り越えることができると確信しています。今経験していることが早く“思い出”になり、1日も早く幸せを共有し、楽しむ日に戻れることを願っています」と、強い思いと深い感謝の意を伝えた。

　マドリード州のイザベル・ディアス・アユソ知事は、「あなたはスペイン史上最高のスポーツマンであると同時に、決断力、忍耐力、規律、犠牲、相手への敬意、そして謙虚さといった偉大な価値観を持った人です。周りの全てのスペイン人をまとめ、何百万人ものスペイン人がスペイン旗の下であなたと一緒に祝い、涙を流してきました。我々に誇りと才能を与えてくれてありがとうございます。マドリードとスペイン中が あなたを愛しています」と、最高の賞賛と共に栄誉あるメダルを授与した。

文●東真奈美

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