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海外テニス

ランキングポイント凍結はフェデラーの職権乱用!? 独テニス連盟副会長が発言し物議

中村光佑

2020.12.04

真偽は定かではないが、フェデラーに限ってそのようなことはないと願いたい…。(C)Getty Images

真偽は定かではないが、フェデラーに限ってそのようなことはないと願いたい…。(C)Getty Images

 テニス系海外メディアの『UBITENNIS』によると、ドイツテニス連盟の副会長であるダーク・ホードルフ氏が、世界ランク5位のロジャー・フェデラー(スイス)について、現行の世界ランキング制度の適用に際し、「上位選手の立場を乱用した」という旨の発言をしているという。

 今年度は新型コロナウイルス感染拡大によりテニスツアーが中断され、世界ランキングも3月16日付けで凍結。その後ATP(男子プロテニス協会)内で協議が行なわれ、過去52週間の中で好成績を収めた上位18大会の結果に基づいて決められていたランキングを、22ヵ月(2019年3月~2020年12月)の期間で算出するという特別措置を適用した。

 同じ期間内で大会が重なった場合は、どちらか一方の結果のみをカウントすることになったため、ツアー参戦が難しい選手でも現状の位置を確保できるシステムだ。

 フェデラーは、右ヒザのケガの影響で年初の全豪オープン以降は大会に出場していないが、このシステムのおかげで現在も5位という高ランクをキープしている。仮に以前のシステムのままであればフェデラーはトップ20も確保できない計算になるが、ホードルフ氏は、ATP評議会のメンバーであったフェデラーが、システム変更に直接的に働きかけたのではないかとの見解を示している。
 
 ドイツのテニス系メディア『tennisnet.com』のポッドキャストに出演したホードルフ氏は、「彼は現在の自身のランキングを守るためにランキングの仕組みを変えた。それは非常に無責任なことで正しいことではない」とフェデラーを非難。さらに、「私の考えでは、彼は評議会での立場を乱用している。ランキングシステムの変更がなければ、フェデラーはトップ50にすら入っていなかったと言わざるを得ない」とコメントを残している。

 先月には、長引く新型コロナウイルスの影響を鑑みてポイント換算の期間を24ヵ月に引き伸ばし、例外として失効予定だった2019年の「Nitto  ATPファイナルズ」でのポイントも、21年の11月まで有効とされた。

 これについてホードルフ氏は「19年の最終戦(のポイント)が2年に渡ってランキングに加算されることは非常に奇妙だ」とし、「この判断には論理的な理由が見当たらず、大多数の選手に寄り添った決定だとは思わない」と苦言を呈している。

 実際に、これらの決定にフェデラーが関与したのかは定かではない。しかし、事実であれば公平性を損ないかねない問題でもあるため、今後フェデラー陣営やATPから何かしらのコメントが発表される可能性が考えられる。

文●中村光佑

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