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海外テニス

新選手会設立で批判を浴びるジョコビッチを、世界39位のオペルカが「いい試みだ」と擁護【海外テニス】

中村光佑

2020.12.09

「ノバクは事実でないことを報道されている」と訴えるオペルカ(左)は、ジョコビッチ(右)の新組織設立に理解を示す。(C)Getty Images

「ノバクは事実でないことを報道されている」と訴えるオペルカ(左)は、ジョコビッチ(右)の新組織設立に理解を示す。(C)Getty Images

 テニス系海外メディアの「UBITENNIS」によると、世界39位のライリー・オペルカ(アメリカ)が、新たにPTPA(プロテニス選手協会)を設立したノバク・ジョコビッチ(セルビア)に寄せられている批判に対し、不快感を示していると報じている。

 テニス系雑誌「Racquet Magazine」のインタビューに応じたオペルカは、「僕は(PTPAは)いい試みだと思う。僕はノバクが事実ではないことをネガティブに報道される様子を見て、少し苛立っていた」と語り、一定の理解を示した上で「彼は若い世代のプレーヤーを気遣ってくれているし、女子選手のこともケアしようとしている。彼はテニスを愛しているし、テニス界を大切にしてくれている」とジョコビッチの行動を称賛。実際のところ、オペルカもすでにPTPAの一員であるという。

 PTPAは今年の全米オープン大会期間中、ATP(男子プロテニス協会)選手評議会を辞任したジョコビッチやバセク・ポスピシル(カナダ)、ジョン・イズナー(アメリカ)などにより選手の意見をより反映させる目的で設立された。だがこの動きをめぐり、テニス界ではATPとPTPAの間で分裂が起きており、ATP評議会のメンバーであるロジャー・フェデラー(スイス)やラファエル・ナダル(スペイン)も「今は分断すべき時ではない」とその動向を懸念していた。
 
 一方でジョコビッチはPTPAについて「男女のテニスに関わる全ての統治団体と協力して、どうすれば選手たちがより多くの恩恵を受けられるようになるかを考えていきたい」としていたが、ATPが「現役の選手が選手評議会以外の組織に属している場合、同組織のメンバーになることができない」というルールを作ったため、ジョコビッチはATP選手評議会への参加を禁じられてしまった。

 評議会のメンバーであるユルゲン・メルツァー氏は、「そういった規定は2006年から存在しており、選手が2つの組織に所属することはできないというのは論理的なことだ」と主張している。

 PTPAは選手の意見を反映させながらテニス界全体で良好な関係を築いていくことを目標にしていたが、オペルカの言葉とは裏腹に、現状では問題が山積している。今後のPTPAとATPの関係性がテニス界にどのような影響を与えるのか、その動向に注目が集まっている。

文●中村光佑

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