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海外テニス

「一番は良い絆ができていること」選手とコーチが良い関係を築ける要因を、トップへ押し上げた名指導者たちが明かす

東真奈美

2020.12.23

昨年コーチ・オブ・ザ・イヤーに選ばれたジル・セルバラ氏(右)。メドベージェフとの良好な関係を話す。(C)Getty Images

昨年コーチ・オブ・ザ・イヤーに選ばれたジル・セルバラ氏(右)。メドベージェフとの良好な関係を話す。(C)Getty Images

『ATPコーチ・オブ・ザ・イヤー』は、その年に、テニス選手をより高いパフォーマンスに導くことに貢献したコーチに贈られる賞だ。今年はアンドレイ・ルブレフ(ロシア)のコーチ、フェルナンド・ビセンテ氏が受賞した。

 ATP(男子プロテニス協会)公式サイトは、この賞にノミネートされた5名のコーチに、「選手との良い関係を築けている要因は何か?」との質問をした。選手とコーチの関係性が垣間見られるので紹介しよう。

 受賞したスペイン出身の43歳、フェルナンド・ビセンテ氏は、プロコーチに転向した元プロテニスプレーヤーだ。23歳のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)が、10代だった2016年からコーチを務めている。ルブレフは今季、ツアー5大会に優勝し、8位で今シーズンを締めくくった。

 ビセンテ氏は、「私たちは、4年間一緒に仕事をしてきました。コート内外で、お互いのスペースを尊重することができます。それに加えて、2人ともテニスへの強い情熱があります。私たちは、これまで非常に厳しい時期を経験してきましたが、今年は素晴らしい1年を過ごせました。大事なのは、情熱を持って仕事をし続けることで、努力は実を結びます。このレベルに留まりたければ、改善すべき点はまだまだたくさんあります」と語った。
 
 昨年コーチ・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、今年もノミネートされたフランス出身39歳のジル・セルバラ氏。昨シーズン、世界4位にまで大躍進をしたダニール・メドベージェフ(ロシア)を導いた。今年もパリマスターズ、ATPファイナルズで優勝している。24歳のメドベージェフは、試合中に時折問題行動を見せることがあったが、セルバラ氏は試合中に自らがチームの席から立ち去ることで、選手本人が“気づく”ように促したこともある。

 セルバラ氏は、「我々の関係が成功している理由を説明するのは、色々な要因があるので難しいですが、一番は良い絆ができていることだと思います。私はダニールの考え方や仕事ぶりを理解しています。彼をベストなコンディションでプレーさせることが、コーチングの一部だと考えています」

 アルゼンチン出身の41歳フアン・イグナシオ・チェラ氏は、元ATP15位で、同じアルゼンチンのディエゴ・シュワルツマンのコーチになった。今季シュワルツマンをATPファイナルズにデビューさせ、初のトップ10入りとなる8位に導いた。

 チェラ氏は、「私たちは、性格が似ています。2人とも、ツアーや試合というハードな環境から抜け出してリラックスする時間を大切にしていますし、テニスに関しては明確な目標を持ち、それを達成するために努力することが好きなんです」
 

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